シェアオフィスを利用する5つのメリット、設備の特徴と選び方のポイントは?
働き方改革の推進やリモートワークの拡大などを背景に、自宅でも会社でもない「シェアオフィス」の人気が高まっています。起業や副業をする人の拠点としても利用されるケースが多く、需要も増えています。本記事ではシェアオフィスとは何なのかを改めて解説するとともに、利用するメリットやポイントなども詳しく解説します。
目次
シェアオフィスとは?
シェアオフィスは「Share(共有)」「Office(事務所)」を組み合わせた言葉で、1つのオフィススペースを、複数の個人あるいは事業者でシェアするというワークスペースの形。
場所によって設備やサービスは異なりますが、オフィス家具やWi-Fi、受付や会議室など、ビジネスに必要な設備や機器を完備し、個室のほか、コワーキングスペースと呼ばれるフリーアドレス制の作業スペースが用意されている場合がほとんどです。
・シェアリング・エコノミーという背景
インターネットの普及により、ものや場所、スキルや時間などを「所有」するのではなく「共有」するという概念が広まり、共有することでサービスを取り引きする「シェアリング・エコノミー」も誕生しました。
車や家、空きスペースを貸し出したり、語学や家事といった専門性の高いスキルを提供したりするのが代表的なサービスですが、シェアオフィスもシェアリング・エコノミーの一つに含まれます。
シェアオフィスを利用する5つのメリット
シェアオフィスを利用するうえで、どのようなメリットが得られるのか。具体的な5つを解説していきます。
1. 快適なワークスペースが手に入る
長引くテレワークで気分転換などを理由に自宅以外のワークスペースを求める人は多く、カフェで仕事をする人の姿を多く見かけるようになりました。カフェはてっとり早く利用できる点ではメリットがありますが、無料で提供されるWi-Fiはセキュリティの面で安全とは言えないうえ、速度も安定していないためビジネスには不向きです。混雑時などは、長時間滞在するのも気が引けるでしょう。
その点、シェアオフィスは不特定多数の人とスペースを共有するものの、仕事をすることが前提なので集中できる環境が確保できるのが利点。コーヒーやお茶を飲み放題で利用できるシェアオフィスは多く、また、安全性が高い、快適なスピードのWi-Fiサービスが提供されている場合も少なくありません。
さらに定期清掃も行ってくれるため、常に清潔で快適なオフィス環境で仕事に集中できます。中には、重要な電話やオンライン会議用に、防音室を設けているシェアオフィスもあります。
2. オフィスにかかるコストが大きく削減できる
もし、自分でオフィスを賃貸するとなれば、数十万円の初期費用はもちろん、月々の賃料や6〜12カ月分の敷金、光熱費といったランニングコストも発生します。シェアオフィスでは、ビジネスに必要なオフィス家具やITインフラが完備されているため、初期費用を大幅に削減できるうえ、水道光熱費やOA機器などのレンタル費も不要。利用料はシェアオフィスによって大きく異なりますが、半額や無料キャンペーンを活用すると、お得に利用できます。
3. 好きなタイミングで解約しやすい
通常の賃貸オフィスは、年単位で賃貸契約を結ぶケースがほとんどですが、シェアオフィスは、1カ月単位で借りられる場合が多く、好きなタイミングで解約しやすいため、リスク軽減という意味においても大きなメリットです。
オフィスの規模拡大に伴う移転や、テレワーク導入による規模の縮小など、オフィスの見直しにはシェアオフィスの利用を視野に入れるのは有効な手段の一つです。
4. 利便性の高い場所にオフィスが持てる
多くのシェアオフィスは、都市部などビジネスエリアに立地しているため、出張や打ち合わせの時に移動がしやすいだけでなく、ビジネス一等地のシェアオフィスを選べば、対外的な信頼をやすく、メリットも大きいでしょう。
シェアオフィスは地方拠点としても活用できます。出張や移動の多い地域にシェアオフィスを契約しておけば、わざわざ仕事場所を探す手間も省けます。
5. 会議室のみの利用も可能
オンライン会議が当たり前になった一方、感染症拡大が落ち着きを見せる中、対面での商談や打ち合わせの価値も見直されています。
シェアオフィスの多くは会議室だけを時間単位で利用することが可能です。ミーティング以外にも、「気分を変えて仕事したい」「特に集中すべきタイミングで個室を使いたい」など、さまざまなシーンで活用できて便利です。
シェアオフィスの選び方は? 5つのポイント
シェアオフィスと言っても、提供されているサービスはさまざまで、立地やオフィスの雰囲気も千差万別です。まずは、自社がシェアオフィスにどんなサービスを求めているのかを明確にしてから選ぶようにしてください。そのうえで、以下5つを押さえて検討することが大切です。
1. 利用料金
コストを抑えられるのがシェアオフィスのメリットとはいえ、実際の利用料金は数千円から数万円と大きな幅があります。サービス内容や立地などを踏まえ、適切な金額であるかを検討してみましょう。せっかくシェアオフィスを利用するのに、不要なコストを払ってしまっては本末転倒です。
2. 個室空間の有無
シェアオフィスにはフリーアドレス制のコワーキングスペースのみを提供する場合と、コワーキングスペースと個室を備えたものの2タイプが主流です。
オフィス環境として個室が必要であれば、その有無は必ず確認するようにしましょう。会議室を利用する可能性がある場合も同じです。
3. 立地条件と建物の外観
アクセスのしやすさとクライアントに与える印象という2点で、どの立地を選ぶかはとても大切です。エリアが良くても駅から遠くアクセスが悪ければ、移動が多い人には非効率です。来客がある場合もマイナスなイメージを与えかねません。
また、シェアオフィスの住所を名刺やホームページに記載したり、法人登記したりするのであれば、ビジネス的に信頼性の高い住所を選ぶことも考慮する必要があります。
4. オフィスの品質
契約するシェアオフィスがどのようなビルに入居しているのか、建物の外観や内装のクオリティは重要です。顧客やクライアントに与える印象はもちろん、働く社員のモチベーションに大きく影響します。建物の外観や広さ、清潔さや日当たりなどをしっかり内見して確認しましょう。また、エレベーターや受付の有無も外せないポイントです。
5. 基本サービスとオプションサービスの内容
基本的なサービスが月額料金に含まれていますが、法人登記ができるのか、受付や秘書がいるのか、あるいは電話転送や郵便物管理などを行ってくれるかはシェアオフィスによって大きく異なります。自社のビジネスを円滑に進めるうえでも、将来の展開をイメージして、十分なサービスが備わっているか確認することは大切です。
どんな職種の人たちがシェアオフィスを利用している?
シェアオフィスは個人から企業まで、実にさまざまな業種で働く人たちが利用しています。共通するのはオフィスにかかる費用を抑えられる点ですが、職種によって使い方は異なります。次に、事例を踏まえたケースとシェアオフィスを選ぶ際の注意点を紹介します。
・士業(税理士、弁護士、司法書士)
法律事務所や税理士事務所を一般的な賃貸オフィスではなく、シェアオフィスの個室を契約して開設する人は少なくありません。どの業種にも言えることですが、第一印象はとても大切です。グレードの高いビルや立地を選ぶことが信用につながるので、慎重に選ぶ必要があります。
また、しっかりとしたトレーニングを受けた秘書がいる場合は、接客や電話対応を依頼することも可能。顧客からの信頼につながるだけではなく、固定人件費を削減することも可能です。
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・コンサルタント
コンサルタント業にもシェアオフィスは人気です。例えば、アクセスに便利な都心のビジネス一等地にオフィスを設ければ、顧客からの信用を得ることができ、集客のメリットにもなります。
外出する場合や忙しい際には、秘書に電話対応を任せることも可能。外資系企業や海外顧客を持つコンサルタントなら、バイリンガル秘書がいるシェアオフィスが重宝します。
・ECサイト/ネットショップ運営
ネットショップを開設するには、ホームページ上に販売者の名前や住所、電話番号を公開する必要があります。自宅の住所を掲載するのはプライバシーの観点から不安なうえ、住所を取得するために賃貸オフィスを契約するのはコスト負担が大きすぎるでしょう。
その点、シェアオフィスは住所をホームページや名刺に掲載できるだけでなく、法人登記が可能なケースも多く、プライバシーの問題を心配する必要がありません。また、電話代行サービスなどを利用して顧客対応を任せれば、自分は本業に集中でき便利です。
・Webコンサルティング・システム開発
どんな企業でもWebでの販売やマーケティングを行っている時代。Webコンサルティングやシステム開発の会社なら、あらゆる職種の企業が利用するシェアオフィスの環境はそれだけで大きなメリット。ちょっとした会話から相談に発展し、業務を請け負うといったケースもあります。
また、Web開発などの仕事をテレワークで行うケースも増えましたが、高速インターネット回線や長時間の作業に適したデスクやオフィスチェアを完備しているシェアオフィスを活用すれば、自宅より働きやすいワークスペースが手に入るでしょう。
・Webデザイナー・ライター・映像制作
一人で作業することが多いライターやWebデザイナー、YouTubeなどの映像制作を行う個人にシェアオフィスが人気です。自宅やカフェでも作業ができるのがその理由ですが、高速インターネットや長時間にわたって作業できるワークスペース、面談やWeb会議をスムーズに行える環境が必要な時もあるでしょう。
そのような場合はコワーキングスペースを利用し、必要に応じて個室や会議室をオプションで利用するとコストも抑えられるので、おすすめです。
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サテライトオフィスやスタートアップの地方展開の拠点として活用される方など、利用形態はさまざま。利用するプランも、レンタルオフィスやコワーキングスペース、バーチャルオフィスと目的によって異なります。
どんな業種の方がどんな方法で利用しているのか、こちらの記事を参考にしてみてください。
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