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AIの進化で仕事がなくなる!? ビジネスに重要な「創造力」を鍛えるコツとは

    「日本労働人口の49%がAIに代替可能である」——。2015年、米国オックスフォード大学と日本の大手シンクタンクの共同研究により得られた試算結果が公表されました。労働のほぼ半分がAIに取って変わられるという見立ては一つの試算に過ぎませんが、技術革新による業務自動化の波はリストラという形で確実に現れているようです。

    大手銀行持株会社のみずほファイナンシャルグループは、2026年度までに1.9万人の従業員を削減し、店舗を130拠点減らすと発表。ほかにもMUFGが1万人、東芝は7000人、損保ジャパンが4000人の人員削減を表明、三井住友ファイナンシャルグループ、日産、富士通といった大手企業も続々とリストラを表明しています。人の手で行ってきた定型的な業務をAIやIT技術に置き換えるこうした動きは今後も加速し、私たちの労働形態を大きく変えることは間違いありません。

    今回は、AIの登場により人の手が不要になっていく仕事や、逆にAIに置き換えることができない仕事、今後求められていく「人間力」について見ていきましょう。

    AIに代替可能な仕事、人間にしかできない仕事とは?

    各分野の専門家により、12回の議論を経てまとめられた内閣府の報告書「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために(※)」(2016)。その中で紹介されている、AIが得意な仕事や人間にしかできない仕事について、ポイントをご紹介します。

    AIに代替可能な仕事とは?

    専門的な知識を必要とするものの、定型的な業務である仕事。また、認識や動作の習熟を必要とするが、大域的な判断を必要としないような仕事に関しては、労働の形態が大きく変わる可能性がある。

    専門的な知識を必要とするものの、業務が定型的認識や動作の習熟を必要とするが、大域的な判断を必要としない

    広告・マーケティング・教育・金融・医療・法律・人事など

    全部の仕事を代替するのではなく、定型的な業務でかつ、間違いが許容されるような類の業務のみ。それ以外は人間を支援する形で使われる。

    警備・防犯・農業・物流・建築・土木・調理・掃除など

    実際の作業自体を機械が行うことになるが、大域的な判断を必要とする仕事や、監督業務などは人間が行うことになる。

      人間にしかできない仕事とは?

    人間性に基づくような仕事。例えば、コンテンツを作る技術が自動でできたとしても、それが面白いかどうかを判定できるのは人間。人間性に基づくような価値評価は、人間が行う必然性が高く、新しい仕事の形態になる。

    今後、重要になるのは「ヒューマンタッチ」

    人間は人間がサービスしてくれることに対して大きな満足を得る。これは長い 進化の過程で社会的な動物として培われてきた本能による部分が大きく、技術によってそう簡単に変わることではない。

    「起業」も人間の重要な仕事の一つに

    AI やロボットにより中間的な仕事が代替され得るということは、逆に言えば企業の経営や企画にかかわるような仕事は人間がやる必要が高まるということ。その点で、起業は人間の重要な仕事の一つ。

    創造力(クリエイティビティ)を鍛えるには

    報告書の中でキーワードとして挙げられた「大域的な判断」「監督業務」「人間性に基づく価値評価」「ヒューマンタッチ」「企業経営」「企画」など。AIには代替できないこうした能力は、「創造力」や「コミュニケーション力」、「管理力」といった言葉に置き換えられるでしょう。

    その中でも、新しいことを作り出す「創造力(クリエイティビティ)」は人間が持つ能力の中でも秀でたものの一つ。内閣府の報告書でも「起業は重要な人間の仕事」と指摘されていたように、今後、さらに求められるスキルなのかもしれません。練習や訓練を重ねれば鍛えられるという創造力について、その方法をいくつかご紹介します。

    自分の頭で考える/情報を疑う

    インターネットで簡単に得られる情報は、他の人が考え、導き出したものにすぎません。その情報は本当に正しいのか、自分はその視点についてどう思うのかを自分の中で反芻する時間を取り、自分の頭で考え直す癖をつけましょう。

    意外性に触れる/枠組みの外へ出る

    自分の枠にとらわれない考え方を意識しましょう。自由な発想を喚起するには、映画やアート、音楽に触れるのもよし、旅に出て知らない場所に出かけるのもよし。日常にはない意外性に触れることで、今までにはない視点を得ることがあります。

    一人の時間を持つ/散歩する

    日々、忙しい時間を過ごしていると、外から入ってくる情報の処理に忙しく、自分の中から湧き出てくるものに気づかないことがほとんどです。あえて一人の時間を持ち、自分と向き合ってみましょう。また、アメリカのスタンフォード大学が行った研究によれば、人は動いているときの方がクリエイティブになれるといいます。Appleのスティーブ・ジョブスも取り入れていたという「散歩」を実践してもいいかもしれません。

    創造性を刺激するオフィス空間とは

    一日の大半を仕事場で過ごすビジネスパーソンにとって、オフィス空間のこだわりも大切です。事務的で、画一的なインテリアが主流だった日本のオフィスも、最近ではフリーアドレス制を導入したり、観葉植物を置いたり、仕切りを外したオープンスペースを作ったりと、流動的な空間にこだわる企業が増えています。そうした工夫も創造性を刺激する仕掛けの一つなので、ワークスペースで改善できることはないか、環境の見直しを図るのもおすすめです。

    (※)参照:「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために」(報告書)

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