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接客は「クリエイティブ」ではない!?「AIに取って代わられる仕事」を検証

    Businessman running away from robotic claw自分の仕事が一生できる仕事か、10年後も今の職業は存在するかを考えたことがあるビジネスパーソンは多いでしょう。今の自分の仕事が10年前に存在していたかを考えても参考になりますが、科学や技術だけでなく世界情勢や経済がめまぐるしく変化する現代において、今後10年の世界を見通した仕事を考えることは容易ではありません。今回は、働くことの根本を考え、将来も残るであろう仕事について考えます。

    話題となった「機械が奪う職業・仕事ランキング」

    将来、自分の職業が存在しているか?その問いに対して重要なキーを握るのが、AIや自動化。昨年8月、ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド』が発表し話題となった「機械が奪う職業・仕事ランキング(米国)」を思い出した人もいるかもしれません。

    週刊ダイヤモンドの記事では「近い将来、とりわけ創造性と社会的知能にかかわる仕事においては自動化の恐れがないと確認している(オズボーン准教授)」と書かれています。つまり「創造性と社会的知能にかかわらない仕事は自動化する可能性が高い」ということです。それでは、同サイトで紹介された「機械が奪う職業・仕事ランキング」上位の「販売員」「セールスマン」など、いわゆる接客に関する仕事は「クリエイティブでない」のでしょうか?

    たしかに、インターネットによるショッピングが増えている

    お店という実店舗を介さずともモノの販売や購入ができるインターネットショッピング。

    総務省統計局の調査(平成28年)によれば、ネットショッピングを利用した世帯の割合は (二人以上の世帯)右肩上がり。また、消費支出総額に占めるネットショッピングの購入割合は「神奈川県」「埼玉県」「東京都」の順で高い割合を占め、若年層の割合が高い都道府県で高い傾向が見られます。さらに、ネットショッピングの利用支出総額が最も多いのは50歳代という結果が。

    今後はますます若年層から中高年層のネットショッピング利用はひろがることでしょう。

    対面した人の「言葉」や「信頼感」が大切になる、販売職

    しかし、私たちの消費はまだ完全にネットショッピングに移行したわけではありません。販売員や接客スタッフがいる実店舗での買い物のメリットはなんでしょうか。

    ・不明確なニーズを一緒に考えてもらえる、相談できる
    ・探し方や商品を判断する知識について、販売員や接客スタッフの力を借りることができる
    ・使い心地までを配慮する本格的なオーダーメイドや企画が可能

    販売員や接客スタッフとのやりとりがあって初めて見つけ出せる商品やニーズもあります。また、販売員や接客スタッフとの「やりとり」自体を楽しみたいという人もいるはず。お気に入りの店員さん、友達のように親身になってくれるスタッフさんとのコミュニケーションも含めて、実店舗で購入する理由になっている人も少なくないでしょう。

    高度な接客技術が求められる場では、AIの技術が入りにくい

    記事127_2それでは、高度な接客技術が求められる職業について考えてみます。

    ブライダルプランナーやホテルコンシェルジュといった接客のプロに求められるのは、お客様のニーズを引き出し・応える以上のこと。お客様の「心の在り方」を読み取り、ご自身では想定しえなかったような提案を行い、その提案によりお客様に深い喜びや感動を味わってもらうことです。

    オリンピック招致の際に話題になった「おもてなし」はまさに、ニーズを超えた配慮があってこそ。決して単純な計算では出せない、言葉にならない答えや用意された選択肢の中にない答えも求められています。

    AIは優秀ですが、その頭脳のすべては計算から成り立っています。表情を読み取るAIですら、表情筋の位置の移動を数値にして分析しているにすぎないため、数字に置き換えられる部分がごく少ない、感動や喜びを生み出す接客技術が求められるシーンで、AIが仕事を取って代わることはまだまだ難しいでしょう。

    一方、「人である必要はなかった」部分、ホスピタリティよりも効率が求められる仕事や、正確さが求められる仕事は、今後AIに取って代わられる可能性が高いでしょう。

    冒頭の「機械が奪う職業・仕事ランキング」だけを見てしまうと、まるで機械さえ発達すれば私たち人間の仕事がなくなってしまうかのように感じます。しかし実際は、特別な技術がある人の仕事は残り、機械に取って代わられた仕事や職業に代わって、また別の新しい仕事や職業が発生するという当たり前の自然淘汰が繰り返されるだけかもしれません。

    しかし、「このままでは自分の仕事がAIに奪われてしまう……」なんて、SF映画のような想像をして、緊張感を持って自分の仕事の技術を磨いていくことは非常に大切なのかもしれませんね。

     

     

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