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VRで出張がなくなる!? テクノロジーが変える私たちの未来、必読書3冊

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さまざまな情報があふれる現代。ビジネスパーソンには幅広い視野と、時代の変化をとらえるアンテナが必要ですが、その一助となるのが「書籍」です。8万人超のビジネスパーソンが利用する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」が、テーマ別の良書を紹介するシリーズ。今回のテーマは「テクノロジーと未来」。テクノロジーとともに働き方、生き方はどう変わるのか。未来を見通すヒントが得られる3冊をご紹介します。

“国境”の制限さえ取り払う テクノロジー先進国、エストニアの取り組みとは

『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』 孫泰蔵監修 小島健志著 ダイヤモンド社 364ページ 1,728円(税込)

時間や場所に制限されずに働く――こうした志向が強くなってきた現代。先端テクノロジーによって“国境”という制限さえも取り外し、新しい働き方を提案している国があります。それがフィンランドの南に位置する北欧の小さな国、エストニアです。

本書『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』は、あらゆる制度の電子化を進め世界から注目されているエストニアを現地取材。行政手続きの99%は電子化され、オンラインで完結できないものは「結婚」「離婚」「不動産売却」のみといわれるほどのIT先進国・エストニアの様子を詳しくリポートしています。

エストニアの取り組みの中でもとくに画期的な制度が、2014年末にスタートした「イーレジデンシー(e-Residency)」。これは希望する他国民を、エストニアの「仮想住民」として認めるもの。イーレジデンシーを取得すれば、母国の国籍を持ちながら、エストニアに住まずとも、エストニアの公的サービスを受けることができるのです。

国境の垣根を低くし、世界中の「頭脳」を集めることでエストニア国内の活性化を狙ったこの制度。その狙い通り各地のIT人材、フリーランサーらが続々とイーレジデンシーを取得しています。取得者のコミュニティが生まれ、その交流の中でイーレジデンシー取得者向けのサービスを提供するスタートアップも誕生。将来的にエストニア政府は仮想通貨「エストコイン」を発行し、イーレジデンシー取得者同士で経済取引を可能にすることも構想しています。

今後は、イーレジデンシーのネットワーク自体に価値が出ると考えられます。仮想の国民同士で経済圏が成立し、従来の国境という概念がなくなる未来。本書でその息吹を感じてみてください。

VRで出張がなくなる日は近いのか? “究極の共感マシーン”の進化を考える

『VRは脳をどう変えるか?』
ジェレミー・ベイレンソン 著 倉田幸信 訳 文藝春秋  368p  2,376円(税込)

VR(仮想現実)と聞くと、Playstation VRなどゲームやエンターテインメントをイメージする方も多いでしょう。しかし実は、今後のビジネスの行方にも関係する重要なテクノロジーなのです。

本書『VRは脳をどう変えるか?』は、VR研究の最新成果を紹介しつつ、VRの利用可能性をさまざまなケースから分析。視覚・聴覚・触覚に強い刺激を与え、「実際の経験」にも匹敵する感覚をもたらすVR技術が、私たちのコミュニケーションをどのように変えていくのかを検討しています。

VRの最大のメリットはリアルな「共感」を作り出すこと。本書では、ヨルダンの難民キャンプの日常を少女の視点で追った『シドラの上にかかる雲』というVRドキュメンタリー映画が紹介されています。泥だらけの道を列になって進む子供たちの姿や、360度に広がる仮設住宅……観客は、「自分も難民キャンプにいるような感覚」を味わい、激しく感情を揺さぶられるのだそう。国連の内部データによると、このVR映画を観た人は、観ていない人の2倍、寄付をする確率が高くなったそうです。

VRは人間の感情を動かし行動を変えさせる “究極の共感マシーン”。それは反面、人々を洗脳することも容易だということ。VRの利用はどの範囲まで許されるのか、そのガイドライン策定も今後の課題の1つだといいます。

しかし、仮想現実の世界で親密なコミュニケーションができるようになれば、ビジネスパーソンは、「出張」や「通勤」から解放されるだけではなく、より共感を伴うようなプレゼンテーションも可能かもしれません。VRの社会的インパクトについて、今から本書で理解を深めてみませんか。

ゲーマーから監督へ、観客から参加者へ。スポーツの楽しみ方は変わるのか

『Sport2.0』
アンディ・ミア 著 田総恵子 訳/稲見昌彦 解説 NTT出版 408p 3,024円(税込

いよいよ2020年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。同時開催される国際大会として注目度を高めたのが「eスポーツ」です。

eスポーツとは、オンラインのデジタルゲームの対戦を、競技スポーツのかたちに制度を整えたもの。ゲーマーというとサブカルチャーの印象が強いですが、eスポーツアスリートはプロフェッショナルとして世界中で開催される大会に参加し、数十億円規模の賞金を稼ぐ場合もあります。eスポーツがオリンピックの正式種目に検討されたことも近年話題になりました。

eスポーツをはじめ、デジタルと融合してスポーツが変化する現象=「スポーツ2.0」の盛り上がりを解説しているのが本書『Sport2.0』。デジタル化が進むことでスポーツの価値観や楽しみ方がどのように変わっていくのかを、気鋭の英国人研究者が考察しています。

eスポーツは、身体能力に優れていなくても頭脳で活躍するチャンスがある、というのが大きな特徴。例えば、サッカーができなくても戦略を立てることが得意であれば、重要なポジションに抜擢される可能性もあります。本書では、ロシアやイランと隣接する南コーカサス地方の国・アゼルバイジャンのサッカークラブ「FCバクー」が、サッカーゲームの成績が良かった学生を二軍監督に抜てきしたという事例が紹介されています。

また、デジタルツールの活用によって観客体験も変わります。フォーミュラEという電気自動車のレースでは「ファンブースト」というシステムを採用。SNSでの人気投票で獲得票の多い選手には一時的に出力アップのアドバンテージが与えられるもので、観客がアスリートのパフォーマンスを左右するのです。

デジタル化によって、アマチュアとプロ、アスリートと観客の境界があいまいになり、「新しい楽しみ方」が生まれているスポーツ。本書とともに“未来のスポーツ”に触れてみてはいかがでしょうか。

テクノロジーの進化が私たちの生活をどのように変えていくのか、少し先の未来を考えたくなる書籍をご紹介しました。技術進歩のスピードが止まらない現代、これまでの思考や価値観を柔軟に変えていくことが必要になりそうです。今回ご紹介した3冊を参考に変化の兆しをとらえ、より生き生きとした働き方・生き方について考えていきましょう。

 

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