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起業に必要な準備とは? 経験者が語る10のチェックリスト

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起業をするとさまざまな手続きが必要となりますが、何から手を付けたらいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。健康保険や税金など、必要な手続きを事前に把握しておいた方が、よりスムーズに起業することができます。今回は、実際に東京国税局を退職し、起業した小林義崇さんの体験をもとに、起業する際に考えておきたい10のチェックリストを解説します。

健康保険の切り替え

サラリーマンから個人事業主やフリーランスになると、健康保険の加入について次の3つから選択することになります。

1 任意継続健康保険(会社の健康保険に最長2年間加入する)

2 国民健康保険

3 家族の健康保険

このうち、3については家族の扶養に入る必要があり、年間収入を130万円未満に抑えなくてはいけません。そのため、基本的には1と2のいずれかを選択することとなります。この選択をするときの最大のポイントが保険料の差です。

任意継続健康保険は2倍に

気をつけなくてはならないのは、1を選択した場合は保険料は会社員時代よりも増えるという点です。会社員であれば健康保険料を会社と本人が折半しますが、退職後は全額自己負担になります。つまり、会社員時代に比べて負担が2倍になるのです。

家族の人数が関係する国民健康保険料

一方、国民健康保険は本人の所得に加えて、家族構成も保険料に影響します。任意継続健康保険の場合、家族の人数は影響しないため、家族が多い場合は国民健康保険のほうが割高になる可能性があります。

いずれにしても、任意継続健康保険と国民健康保険を選択する際は、事前に保険料を計算しておくことが大切です。任意継続健康保険については会社で、国民健康保険についてはお住まいの市区町村の役所で確認することができるため、シミュレーションをした上で最適な選択をしてください。

ポイント!
任意継続健康保険は負担額が2倍になり、国民健康保険料は家族構成が影響します。どっちがお得になるのか、事前のシミュレーションを。

国民年金への切り替え

年金については、会社に勤めていたときに加入していた厚生年金を継続することはできません。国民年金への切り替えが必要なので、お住まいの市区町村の役所で手続きを行ってください。このとき、勤めていた職場を辞めたことを証明する退職証明書などが必要となるため、会社を退職する際に受け取っておきましょう。

気をつけておきたいのは、国民年金の保険料は自ら納めるもの、という点です。サラリーマンであれば給料やボーナスから自動的に保険料が天引きされるので、納め忘れはありませんが、個人事業主やフリーランスになったら納付忘れに注意しなくてはなりません。もし毎月の納付手続きが面倒であれば、1年分などを一括して納める前納や、口座引き落としにすることもできるので、加入と合わせて手続きをしておくと良いでしょう。

負担額は減る一方、受給額も減る国民年金

なお、サラリーマンの厚生年金は収入に応じて保険料が上がりますが、その分、将来受け取る年金も増える仕組みになっています。個人事業主やフリーランスの国民年金は保険料が一律で月額16,540円(令和2年度)で、月々の負担は厚生年金より軽いものの、老後資金の備えとして十分かというと不安は残ります。

例えば、国民年金保険料を最長の40年間、満額で支払ったとしても、年金受給額は月額65,141円(令和2年度)です。そのため、将来の年金を増やすために、国民年金の付加保険や、国民年金基金などの制度についても検討したほうがいいかもしれません。

ポイント!
国民年金に切り替えると月々の負担額は減りますが、厚生年金よりも年金受給額が少なくなるため、付加保険や国民年金基金の活用を。国民年金への加入は退職証明書が必要です。

住民税の支払いに備える

私たちが支払う主な税金に、所得税と住民税があります。いずれも個人の収入に対して課せられるものですが、退職するときに注意が必要なのが住民税です。なぜなら、所得税の場合、その年の収入に対して、その年のうちに徴収されるのですが、住民税の場合は「翌年の6月以降」に徴収される仕組みになっているからです。

例えば、2020年3月末に退職した場合、その時点では2019年の収入に対応する住民税は納めていない状態です。この住民税を納めるのは、退職した後になります。収入が少ないときに住民税を納めることになるかもしれませんので、あらかじめ住民税分のお金を貯めておくと安心です。

ポイント!
住民税は「翌年6月以降」に徴収されるため、支払いが退職後になる可能性も。あらかじめ住民税分のお金を貯めておきましょう。

仕事場を決める

 

起業するとまず仕事場を決めますが、自宅や賃貸オフィス、コワーキングスペースなど複数の選択肢があります。私の場合、独立当初は自宅を事業所にし、その後、コワーキングスペースも利用するようになりました。

プライバシーの観点から、自宅の住所を名刺やホームページに掲載したくない、または取引先からの信用を得るために都心などのオフィスを会社の住所にしたいといった方は、バーチャルオフィスも検討されるといいでしょう。手軽な利用料でビジネス上の住所を借りることができ、電話対応や郵便物の転送サービス、会議室の利用など、ビジネスに必要な機能が利用できるサービスです。

バーチャルオフィスとは? メリット・デメリット、上手な使い方を解説

ポイント!
経費をできるだけ抑えたい起業当初は自宅を利用するほか、コワーキングスペースやバーチャルオフィスを活用するのもおすすめ。

開業届を出す

個人事業主として起業をしたら、必ず行うべき手続きのひとつが開業届の提出です。まず、事業を開始したときから1カ月以内に、事業所の所在地を管轄する税務署に開業届を提出しなくてはなりません。

ここで気をつけたいのが、「開業届の控えに税務署の受付印をもらう」ということです。創業融資などを申し込む際、開業した証明書として必要だからです。そのため、郵送で開業届を出す場合は、控えとともに、切手を貼った返信用封筒も同封して、税務署に郵送するようにしましょう。

ポイント!
開業届は事業開始から1カ月以内に。融資を申し込む場合は、開業届の控えに税務署の受付印をもらうことを忘れずに。

経験者がアドバイス! 起業への手順や準備資金、融資制度について解説

青色申告を検討する

開業届とともに税務署に提出しておきたいのが、「青色申告の承認申請書」です。この書面を提出することで税務署長から青色申告の承認を得ることができ、さまざまな節税メリットを受けることができます。

例えば、青色申告の場合にのみ適用される「青色申告特別控除」は、年間で最大65万円までを事業所得などから差し引けるというものです。これは、必要経費65万円分に相当する節税効果ですから、利用しない手はありません。ただし、青色申告にすると、正式なルールにのっとって帳簿を作成する義務が生じるので、後述するクラウド会計ソフトの利用と合わせて検討してください。

ポイント!
開業届と一緒に「青色申告の承認申請書」の提出を。年間で最大65万円の控除を受けることができ節税効果◎です。

事業用口座・クレジットカードをつくる

起業をして取引を行うには、銀行口座やクレジットカードが不可欠です。しかし、プライベートでも使用している口座やカードを使うのはおすすめできません。なぜなら、プライベートの入出金と、事業に関する入出金が混在すると、帳簿作成や確定申告の際に困るからです。

例えば、取引先との飲食代と、プライベートな飲食代を、同じクレジットカードで支払ったとしましょう。この場合、帳簿を作成する際に、「これは事業用の経費か?」ということを確認して正しい勘定科目を選ばなくてはいけません。もしプライベートであるにも関わらず、誤って事業用の経費として入力をすると、確定申告の内容も誤ったものとなってしまいます。このような誤りを防ぐためにも、最初から事業用の銀行口座やクレジットカードを作っておくのが一番です。

ポイント!
起業したら事業用の銀行口座やクレジットカードを作りましょう。プライベートの入出金と混在させると、確定申告の際に困ります。

クラウド会計ソフトを利用する

初めて起業する人にとって、特にハードルが高く感じられるのが帳簿作成ではないでしょうか。しかし、帳簿をきちんと作成しないと、確定申告をすることができません。さらに、前述の青色申告特別控除の節税効果を最大限受けるには、「貸借対照表」と「損益計算書」という書面を確定申告書に添付する必要があり、これらの書面も帳簿から作成するものです。

そこでおすすめしたいのが、月額1,000円程度で利用できるクラウド会計ソフトです。私も開業以来、クラウド会計ソフトに日々の売上や支払いなどの情報を取り込んで、帳簿を作成しています。請求書や領収書を作成する機能や、確定申告書作成機能が備わっているものであれば、特に便利です。

ポイント!
クラウド会計ソフトを利用して、日々の売上や支払いの情報を管理しましょう。後の確定申告書や関連書類の作成がスムーズです。

確定申告に備える

帳簿を作成するとともに、時間のあるときに確定申告の手順についても確認しておきましょう。起業をすると、原則として毎年2月16日から3月15日の間に確定申告をし、納税しなくてはなりません。退職した年に対応する確定申告を行う場合、会社員時代の給与所得と、起業後の事業所得のいずれも申告が必要となるので、退職した会社から交付される源泉徴収票を必ず保管しておきましょう。

前述のクラウド会計ソフトを使って帳簿を作成していれば、比較的スムーズに確定申告をすることができます。しかし、帳簿作成のほかにも、社会保険料控除や住宅ローン控除など、サラリーマンであれば年末調整で済ませていた手続きも、確定申告で行わなくてはなりません。こうした点についても簡単に押さえておきましょう。

ポイント!
会社員時代の給与所得と起業後の事業所得の申告が必要な初年度は、退職した会社から交付される源泉徴収票を必ず保管しましょう。

マイナンバーカードを取得する

最後に、こちらは必須ではありませんが、確定申告をスムーズに終え、節税効果を最大限得るためにマイナンバーカードを取得しておくことを勧めます。令和2年分の所得税から、青色申告の人が、国税電子申告・納税システム(e-Tax)で確定申告をした場合、青色申告特別控除が10万円アップするというルールが設けられました。

このe-Taxを行うには、お住まいの市区町村でマイナンバーカードを取得し、このカードに格納されている電子証明書を有効にする手続きが必要です。この手続きは通常は数週間程度かかるため、確定申告の時期に申請しようとすると、申告期限までに間に合わなくなるおそれがあります。できるだけ早く手続きをしておきましょう。

ポイント!
令和2年分から国税電子申告・納税システム(e-Tax)で確定申告をした人は青色申告特別控除が10万円アップするという新ルールが適用されています。e-Taxに必要なマイナンバーを取得しましょう。

サーブコープのバーチャルオフィスで起業をスムーズに

いかがでしたか。実際に起業して個人事業主として活躍されている小林さんの体験をもとにまとめた起業に必要な10のチェックリストをご紹介しました。これから起業を目指す方もそれぞれのチェックリストを作って、抜け漏れのないように、必要な準備を始めてみてください。

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