サーブコープブログ知識・ノウハウ経営者やリーダーにおすすめの「コーチング」とは? なぜ、ビジネスに有効なのか

経営者やリーダーにおすすめの「コーチング」とは? なぜ、ビジネスに有効なのか

最近SNSなどでも注目を集めている「コーチング」。ビジネスにおける課題を解決し、目標をいち早く達成するためのコミュニケーションと言われていますが、無形であるがゆえに理解しにくい側面があります。今回は、100名以上のコーチが所属し世界33カ国でサービスを提供する株式会社コーチ・エィから、コーチ歴10年の酒井春奈さんにお話をうかがいました。

前編ではコーチングの概念や目的をお伝えし、後編では実際にコーチングを受けた起業家の方に登場していただき、ビジネスにおける変化や成果についてうかがいます。

コーチングとは?

 ―― ずばり、コーチングとは何でしょうか。

 コーチングとは、「相手の主体的な行動をうながすコミュニケーション」と私たちは定義しています。上司やチームリーダーが部下に指示を出すこれまでの「トップダウン型」ではなく、部下や社員が自分の頭で考え、主体的に行動することをうながす方法。これを取り入れたマネジメントを私たちはコーチング型マネジメントと呼んでいます。

―― 最近コーチングという言葉をよく耳にするようになった気がしますが、なぜでしょうか。

日本では、指示が明確で決断力のあるリーダーが組織をけん引するスタイルが続いてきました。そうしたトップダウン型のマネジメントは、価値観の統一を図るため、一度に多くの社員を育成できますが、価値観が多様化する今、そうした旧来のマネジメントに限界を感じているリーダーが増えています。リーダーだけではありません。新しい世代の社員も古いやり方について行けない人が多く、いわゆる“昭和型スタイル”からの過渡期にあるのかもしれません。

なぜ、社員の主体性を大切にするのか

―― どんな方が、どんな課題を抱えてコーチングを学びにくるのですか?

弊社のプログラムを受ける方の約5割は中間管理職や部長、事業部長などで、約2割は経営に関わる役員クラスの方々です。受講者の求めるものはさまざまですが、共通する点は部下や社員個人の力を高め、一人ひとりが主体性を持って行動することをうながしたいという点です。

他には、コンサルタントとして顧客対応をする際にコーチングを取り入れたいと学びにくる方もいます。

―― なぜコーチングでは「主体性」を重要視するのでしょうか。

人は誰かに言われてやるよりも、自分で考えて行動する方が最大限のエネルギーを出せる、というのがコーチングの考え方です。自発性や応用力も高められます。それに、自分が指示を出さなければ人が動かないようでは、いつまでも次世代が育ちません。各自が自分で考え、自分から主体的に動くことで、組織が活性化し、「トップダウン型」を超えた成果につながるのです。

――コーチ・エィではどんなプログラムを実施しているのですか。

 個人で学ぶプログラムには12カ月と18カ月のコースがあり、コーチングの「理論」と「スキル」、そして「実践方法」という3つのカテゴリーを学びます。「理論」ではコーチングの意味や目的、自分や相手を知ることの重要性、目標設定や感情のコントロールなどについて学び、「スキル」では効果的な質問や聞く・褒める・認めるといった技術を習得します。「実践方法」では職場や日常を想定したコーチングの実践を繰り返していきます。

今あげたようなプログラムを1年〜1年半かけて学ぶことで、コーチングとは何かを理解し、相手の主体的な考えや行動をうながしながら、組織を動かすスキルを身につけていきます。

 コーチングによって業績を上げたAさんの体験談

 ―― 実際にコーチングを学んだ方がどんな成果を上げているのか、具体的な事例を紹介していただけますか。

弊社のウェブサイトにも掲載されている体験談ですが、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」で8店舗を任されていたエリアマネージャーのAさんがコーチングプログラムを受講しました。始めた当初は、「各店舗の店長たちが何も目標を持っていない」と困っていたようです。

コーチングを学んだAさんは、相手の主体的な行動をうながすため、店長一人ひとりと話す時間を取りました。すると、各店舗の店長が「1時間の来客数を70人から100人にしたい」など、次々に目標を口にするようになったんです。

もちろん店長が一人でその目標を達成できるわけではありません。そこで、アルバイトや部下が自ら考え、自分で行動することをうながしたことで、それぞれが自発的にトイレ掃除をしたり、積極的にお客さまアンケートを分析して改善点を見つけたりして、目標を達成し、業績を上げるまでになりました。すべての店舗でどういった成果を出したのかまで把握していませんが、Aさんはその後、東日本全体の33店舗を任されたそうです。

 コーチングは「働き方改革」に逆行する?

―― 昨今の「働き方改革」では、効率や生産性向上が最優先されていますが、相手の主体性を育てるために対話を重ねるというコミュニケーションは時間もかかります。スピードが求められる今の時代にそぐわない気もしますが…。

 「働き方改革」というフレーズは、コーチングの場でもこの数年よく聞かれるようになりました。昔は「ノミニケーション」という言葉もあったくらい、自分のキャリアやビジョン、チームの目標などを話し合う場面が少なからずありました。短い時間の中でどう成果を出すかを考えたとき、対話の時間をあえて取ることに抵抗を感じる受講者もいます。

確かに、対話を重ねるという一時的な時間の投資は必要です。ですが長期的に見れば、指示を出さなくても、自ら考え、自分で動く社員が増えれば、生産性アップにもつながります。

また、今はキャリアの選択肢も増え、転職する人が増えています。優秀な人材をつなぎ止めておくことも課題の一つ。上司が部下のやりたいことを理解し、向いていることは何かを発見することで、適材適所で働いてもらうことができます。やはり、好きなことをやっている人は没頭するため仕事のスピードも速く、生産性にもつながります。

―― コーチングを学ぶ起業家の方はいますか?

小さい組織であるほど一人のプレーヤーが主体的に動けるかどうかが重要になるので、起業家の方にコーチングは役に立つと思います。自分で事業を起こした方は、「自分が一番よく知っている」という考えにとらわれがちです。自分のやり方に改善点はないのか、客観的に分析する視点もコーチングで養えます。実際、起業家の方でコーチングを受講される方はすごく多いですよ。

いかがでしたか。前編では酒井コーチに「コーチング」の概念と目的についてお話しいただきました。次回はコーチングプログラムを18カ月受講した起業家の方にご登場いただき、小規模事業だからこそコーチングを取り入れるといい理由や、ビジネスにおける成果についておうかがいします。

高いスキルが人件費削減にもつながるサーブコープ秘書

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取材協力・酒井春奈

コーチ・エィ所属。企業の管理職やリーダー、経営層に向けた1on1コーチ、トレーニング・プログラムのクラスコーチを担当。コーチングプログラム全体の設計・プロモーションから、顧客ニーズに合わせたトレーニングの案内、資格取得支援や、法人導入への展開支援にも携わっている。

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