サーブコープブログ知識・ノウハウ政府が「移住支援金」の要件緩和。転職なしの地方移住も100万円の対象に!

政府が「移住支援金」の要件緩和。転職なしの地方移住も100万円の対象に!

働き方が大きく変化した2020年。テレワークの拡大を機に、場所を選ばずに仕事をする働き方が普及しました。その影響もあってか、都心から地方へ移住する人が増加しています。東京23区に住む人が地方に移住すると交付されるのが「移住支援金」。給付額は最大100万円で、2020年12月からは支給要件が緩和されています。本記事で移住支援金制度の基本を解説するとともに、「内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部」事務局に聞いた、要件緩和の背景や支援金支給の実態を紹介します。

コロナ禍の東京都で2013年以降初の「転出超過」

「通勤のストレスを減らしたい」、「子育てがしやすい土地に住みたい」などの理由から、特に若い世代で人気の地方移住。新型コロナウイルス感染拡大が長期化したのをきっかけに、人の密集する都心から地方へ移動する動きに拍車がかかっているようです。

総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、緊急事態宣言発令後の2020年5月、集計を始めた2013年以降の東京都で初めて「転出超過」に転じ、東京からの転出者が東京への転入者の数を上回りました。それ以降も5カ月間連続で転出超過が続き、地方分散の流れが始まっているという見方もあります。

最大100万円の「移住支援金」

地方創生に取り組んできた国や地方自治体は「東京一極集中」是正の起爆剤にするため、移住支援の取り組みを加速。これまで転職を前提としていた「移住支援金」の要件を緩和し、転職しない地方移住者も最大100万円の交付対象に加えました。

移住支援金とは?

そもそも、移住支援金とは何でしょうか。地方公共団体は、地方創生のため「地方創生推進交付金」を国から受けることができますが、それを活用して行うのが「地方創生起業支援事業」と「地方創生移住支援事業」。地方における起業や就業を支援することで、地方への人の流れをつくることを目指しています。

そして移住支援金とは「地方創生移住支援事業」の一環で、交付される支援金は最大100万円(単身者は60万円)。ただし受け取るには、一定の要件を満たす必要があります。

これまでの3つの交付要件

①東京23区の在住者または通勤者であること

移住直前の10年間で、通算5年以上の期間、東京 23 区に在住しているか、もしくは東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県) に在住し、東京 23 区に通勤していた人。また、移住する直近1年以上は、東京 23 区に在住するか通勤している必要もあります。

②東京圏以外の道府県または、東京圏内の条件不利地域へ移住すること

前提として、移住先となる都道府県や市町村が移住支援事業を行っている必要があります。移住先となる地方とは、東京圏以外の道府県または、東京圏内の条件不利地域を指します。

ちなみに条件不利地域とは、「過疎地域自立促進特別措置法」、「山村振興法」、「離島振興法」、「半島振興法」 、「小笠原諸島振興開発特別措置法」の対象地域を有する市町村のこと。東京圏内の対象市町村名は政府のホームページに掲載されています。

新規就業した人、または起業支援金の交付決定を受けた人であること

移住支援金を受けるには、移住支援事業を実施する都道府県が、マッチングサイトに掲載する求人に新規就業した人、または起業支援金(※1)の交付決定を受けた人である必要があります。

※1起業支援金とは、企業地域の課題解決のため、社会的事業を起業する人に最大で200万円が交付される制度。

内閣官房担当者が解説、テレワークを認めた理由

③にあるように地域企業に「新規就業した人」が交付の要件になっていた従来。しかし、移住に加えて就業先を変えるのは容易なことではありません。そこで2020年12月からは要件が緩和され、転職をせずにテレワークなどで働く地方移住者も100万円の対象になりました。

今回、要件緩和に至った理由や交付の実態を、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局に聞きました。

Q. なぜ転職なき移住を要件に追加したのでしょうか?

これまでの移住支援事業は、地域企業への就業または起業を要件としてきましたが、地方移住に加え仕事や収入も変わるとなるとハードルは高いですよね。その点、昨今のテレワークの普及で、地方でも同様に働けると実感した人は少なくありません。「転職なき移住」が現実的なものとなったため、東京の企業に勤めたままテレワークで働く人も支援対象に追加しました。

東京23区の在住者や通勤者といった条件や、東京圏以外の道府県、または圏内の条件不利地域へ移住するといった要件を満たす必要はありますが、テレワークを支援対象にしたことで、地方移住の後押しができればと思っています。

Q. 移住支援金の交付を受けた人はどのくらいいるのでしょうか?

これまで移住支援金を活用して移住された方は、約500名になります。

Q. 移住支援金の今後の展開を教えてください。

今回の要件緩和とあわせて「市町村特認制度」も設けました。これは、移住支援事業における関係人口(※2)を市町村が定め、独自の要件に合致する人を支援金交付の対象にできるもの。

例えば、地域の農業法人に就業を希望し、移住前からその地域で就農研修を受けるなど、自治体や地域と事前につながりを持ちながら移住する人を支援することができます。

移住にあたっては、移住希望先の市町村の要件を確認してください。こうした拡充なども含めて、これからも本事業の活用を促進し、地方移住を進めていきたいと考えています。

※2 関係人口とは移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と関わる人々のこと。人口減少や高齢化という課題に直面している地方圏では、関係人口と呼ばれる地域外の人材が、地域づくりの担い手になることが期待されている(総務省HP参照)。

テレワークの適用はいつから? 申請方法と注意点も

国の制度としては、2020年12月から転職なき移住も可としていますが、移住支援事業を実施するのは各都道府県や市町村。事業を実施しない自治体もあります。実施していてもテレワーク移住を可とするのか、また適用時期をいつにするのかも自治体判断になるため、事前の確認が必要です。

また、移住支援金の申請期限は転入から3カ月が経過した後、1年以内。支援金の申請は移住先の都道府県や市町村に行いますが、具体的には交付申請書や本人確認書類などの提出。

さらに前提として、申請は移住先の都道府県が移住支援事業の詳細を公表した後に転入しないと申請はできません。さらに申請した後5年以上は、移住先の市町村に継続して居住する意思が求められます。制度の詳細や手続き方法は自治体ごとに異なります。以下のHPで都道府県や市町村の総合窓口をチェックできます。

都道府県・市町村の総合的な移住等の窓口 

まとめ

いかがでしたか。金銭面の事情や転職が困難であるなどの理由から地方移住に踏み出せなかった人も、移住支援金は頼れる存在になるはず。今回の要件緩和で転職をしなくてもよくなり、さらに申請しやすくなりました。2019年度からスタートしたこの事業の実施期間は6年がめど。終了する前にぜひ活用を検討してみてはいかがですか。

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参照:

内閣官房・内閣府 総合サイト|移住支援金 

内閣府|新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査 

 

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