サーブコープブログ知識・ノウハウ「人材」が事業拡大のボトルネック? 先輩起業家の課題とは

「人材」が事業拡大のボトルネック? 先輩起業家の課題とは

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以前に「起業予備軍の“お金”の実態」についてご紹介しました。

起業予備軍の起業しない理由の第1位は「自己資金が不足しているから」でしたが、資金の問題が解決すれば、起業は順調にいくものでしょうか?今回は、実際に起業した人がどういった課題に直面しているのかを探ります。

経済産業省が2013年に発表した、「起業・経営上の課題」が事業の発展に伴って変化している様子を浮き彫りにしている「中小企業の起業環境に関する調査」を紹介します。

 

■事業展開における発展・成長の段階

この調査は、2000年1月以降に設立された中小企業を対象に、業種バランスを考慮した抽出で、有効回答数は5,251社。起業時の資本金が300万円以下(42.1%)、起業時の常用従業員数が5人以下(80.0%)の企業が多く回答していました。

調査内で、事業展開における発展・成長の段階を「萌芽期」「成長初期」「安定・拡大期」の3段階に分けています。それぞれの段階は、起業何年目だったか質問したところ、下記のような結果となりました。

起業後、何年目まで萌芽期の段階だったか。

0年:37.3%
1年超~3年以下:28.2%
0年超~1年以下:23.0%

起業後、何年目まで成長の初期の段階だったか。

5年超~10年以下:29.4%
3年超~5年以下:28.8%
1年超~3年以下:28.6%

起業後、何年目から安定・拡大期の段階だったか。

5年超~10年以下:32.3%
3年超~5年以下:25.2%
1年超~3年以下:23.3%
0年超~1年以下:11.7%

(出典:経済産業省『平成24年度 中小企業の起業環境に関する調査 報告書』, 図23図25図26(部分))

起業後、3年目くらいまでが事業を軌道に乗せる段階であり、起業後5年以内には、6割近くの企業が安定・拡大期に入っていることがわかります。

 

■起業・経営上の課題

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データによると「萌芽期」、つまり事業が軌道に乗るまでの間は「資金調達」が「起業・経営上の課題」の最大の課題になっています。しかし、「成長初期」における最大の経営課題は「資金調達」ではなく、「質の高い人材の確保」が選ばれました。「質の高い人材の確保」という問題は、事業が拡大するにつれ、重みが増すのでしょう。「安定・拡大期」に入ると、更に回答の割合が増え、3人に2人近くが、「質の高い人材の確保」を課題に挙げています。

以上のデータから、「起業後、3年目くらいまでが事業を軌道に乗せる段階であり、この時期の最大の経営課題は、資金調達である。しかし、その段階を過ぎると、資金の問題に加えて優秀な人材の確保が、重要な経営課題になってくる」ということが言えます。

 

■経営課題は「人材の確保」

安定・拡大期に入ると「資金調達」の問題は後退し、「質の高い人材の確保」「新たな製品・商品・サービスの開発」「製品・商品・サービスの高付加価値化」といった課題がクローズアップされてきます。

つまり、事業が安定してくると、「製品・商品・サービスの開発や高付加価値化」こそが更なる事業拡大のカギとなり、その課題を解決するために「質の高い人材の確保」が求められていると分析することができます。また、それら経営課題に伴って費用も変化しています。

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上記のデータは、それぞれの時期で必要となった初期費用と追加的費用について質問した結果です。回答のうち、「人材採用のための費用」と「資格取得等の人材育成のための費用」を「人材にかかるコスト」として捉えると、成長初期以降、その比重が高くなっているかがわかるのではないでしょうか。若い企業にとって「人材」が大きな経営課題になっていることこの結果からもうかがえます。

「資金の確保」ももちろん重要なテーマですが、起業後3年、5年を見据えると、「人材」が事業拡大の最重要になりかねません。将来的に必要となる人材像をあらかじめ想定し、そこに向けた人材育成プランを持っておくことが、起業にとって大事なことのひとつと言えそうです。

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