【例文付き】暑中見舞い・残暑見舞いのビジネスマナーと書き方
取引先や顧客、上司や同僚に暑中見舞い・残暑見舞いを送るなら、知っておきたいビジネスマナーがあります。初めてビジネス上のお付き合いのある相手に暑中見舞い・残暑見舞いを送る方にわかりやすい基礎知識、書き方まで紹介します。
取引先や顧客宛に暑中見舞い・残暑見舞いは送った方がいい?
暑中見舞い・残暑見舞いは、日本の季節の挨拶として長年定着しきた習慣です。
ビジネス上、必ずお送りする必要のあるものではありませんが、はがきでのやりとりが少なくなっている今だからこそ、大切な取引先や顧客など、お世話になっている方へ感謝の気持ちを伝えるよい機会になります。
かつては、くじ付き暑中見舞い用郵便はがき「かもめーる」が広く普及していましたが、メールやSNSの普及で発行枚数は年々減少し、2021年に発行が停止になりました。ただ、現在でも夏らしいデザインの「夏用はがき」が郵便局から発行・販売されています。
暑中見舞い・残暑見舞いを送る時期
暑中見舞いと残暑見舞いの違いは、お送りする時期です。
実際の暑さとは関係なく、日本の暦「二十四節気」に従います。
暑中見舞いにベストなタイミングは、小暑の候(7月7日頃~7月22日頃)です。
小暑を過ぎ、立秋の前日(8月7日頃)までにお相手の手元に届くように送ります。
残暑見舞いのタイミングは、立秋(8月8日~9月7日頃)です。
立秋を迎えたら暦の上では秋。処暑の候の終わり頃までには届くように送ります。
暑中見舞い・残暑見舞いの送り方
歴史的には元々「盆・暮れのご挨拶」として贈り物をするものでしたが、郵便制度の発達で徐々に簡略化、1950年には郵便局から「暑中見舞い用はがき」が発売され、はがきで送るという形式が一般的になりました。
シンプルに季節のご挨拶と日頃の感謝を述べる目的であれば、夏らしいはがきを用いてビジネスマナーに則った縦書きで書くのがよいでしょう。親しい間柄の方に送る場合は、横書きでも構いません。
ビジネス上、仕事のやりとりではない余計なメールは送らないのがマナーですので、夏のご挨拶のみをお伝えする際は、相手に負担をかけないはがきが原則です。
ただ、夏のご挨拶のタイミングで、夏季休業のご連絡や本社移転・新商品発売などのご案内、代表者の交代などのお知らせなどをメールで送る際、冒頭に暑中見舞いの言葉を添えれば、丁寧な印象になるでしょう。
書状やメールの場合でも、暑中お見舞いの言葉を述べる際は、暦に適したタイミングで相手の手元に届くか確認しましょう。
なお、相手が喪中の場合でも、暑中見舞いと残暑見舞いを送ることには問題ありません。ただし、四十九日までの忌明け中は、相手に気をつかわせる可能性があるため、控えるのが無難です。忌明け後の挨拶は、静かな色合いや文面で送るのが適切です。また、相手が喪中であることを知っている場合は、文面でそのことを配慮するとよいでしょう。
暑中見舞い・残暑見舞いの構成とフレーズ
暑中見舞い・残暑見舞いを送る際に一般的な「はがき」に何を書くべきか、最低限必要な要素とその内容について紹介します。
【お見舞いの挨拶文】
はがきの右側に、他の行よりも大きい文字でお見舞いの挨拶の言葉を書きます。時期に応じて暑中と残暑を選びましょう。
【本文】
挨拶文から改行し、一文字分下げた位置に本文を書きます。「拝啓・敬具」のような頭語・結語ははがきでは不要です。内容は、以下のポイントに留意しましょう。
- 梅雨明け、今年の夏の暑さなど、タイミングに合わせた気候について述べる
- お相手の体調を気遣う、感謝の言葉を述べる
- 自身の近況報告をする
【結びの挨拶】
相手を気遣う言葉と、これからの健康や発展を願う言葉や、これからも変わらぬお付き合いを願う言葉で結びます。
【日付】
縦書きの場合、西暦ではなく年号を使いましょう。月、もしくは時候の挨拶に用いる言葉、該当する「二十四節気」から選びましょう。
たとえば、2025年7月10日頃にお相手に届く暑中お見舞いの場合、「令和7年 盛夏」もしくは「令和7年 大暑」などと書きます。
【署名】
最後に差出人の住所、氏名を最後に記載します。位置は挨拶文、本文よりも下の位置に下げて書きましょう。
暑中見舞いの例文集
暑中見舞いは、お送りする相手や目的に合わせて文章を作成します。最も一般的な取引先・顧客への一般的な例文から、夏季休暇のお知らせや送付状に記載する場合のご挨拶文など、目的に合わせた例文を紹介します。
取引先・顧客宛の暑中見舞いの例文
暑中お見舞い申し上げます
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
梅雨も明け、いよいよ夏本番を迎えました。皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より賜っております貴社のご厚情に、社員一同心より感謝申し上げます。
これから暑さも一段と厳しくなってまいりますが、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
令和○年 七月
株式会社○○
代表取締役社長 ○○○○
夏季休暇のお知らせを兼ねた暑中見舞いの例文
暑中お見舞い申し上げます
平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
連日の猛暑が続いておりますが、皆様にはくれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
さて、誠に勝手ながら、下記の期間を夏季休業とさせていただきます。
休業期間:令和○年○月○日(水)~○月○日(日)
期間中は何かとご不便・ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
令和○年 七月
株式会社○○
代表取締役社長 ○○○○
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新商品のお知らせを兼ねた暑中見舞いの例文
暑中お見舞い申し上げます。
連日の猛暑で冷たい飲み物がことのほか美味しく感じる季節、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、そんな猛暑でも毎日を健やかに過ごしていただくための成分を強化した新商品を開発いたしました。みなさまにご満足いただけるよう、生産スタッフ一同心を込めました。間もなくの出荷の折にはお試しセットをお届けにあがりますので、ぜひご賞味くださいませ。
それでは夏のお疲れがでませんよう、お健やかにお過ごしください。
令和○年 七月
株式会社○○
代表取締役社長 ○○○○
送付状に暑中見舞いの挨拶を添える時の例文
2025年7月吉日
株式会社○○
経理部
部長 ○○○○様
○○○○株式会社
〒000-0000 東京都中央区○○
担当:○○
請求書送付のご案内
拝啓
暑中お見舞い申し上げます。
盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
さて、このたびの納品に関しまして、下記の通り請求書を送付させていただきます。
ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
・請求書 1部
以上
送付状は「はがき」ではないため、通常の送付状のフォーマットの時候の挨拶部分に暑中お見舞いの挨拶文が入ります。文章の一部ですから、この場合は句点をつけます。また、通常の送付状と同じ横書きで問題ありません。
お中元のお礼状に暑中見舞いの挨拶を添える時の例文
暑中お見舞い申し上げます。
盛夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
さらにこのたびは結構なお中元をご恵贈賜り、心より御礼申し上げます。社員一同、お心遣いに深く感謝しております。本来であればお目にかかって御礼申し上げるべきところ、略儀ながらまずは書中にて失礼いたします。
季節柄、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
令和○年 七月
株式会社○○○
代表取締役社長 ○○○○
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上司・同僚宛の暑中見舞いの例文
暑中お見舞い申し上げます。
連日の猛暑が続いておりますが、○○様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。
夏季休暇中は、これまでのご指導を振り返りながら、今後の業務に一層励むべく、英気を養っております。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、まだしばらく厳しい暑さが続くとのことですので、ご家族の皆様ともども、どうぞご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
令和○年 小暑
株式会社○○
○○部
○○○○
店舗やECサイトで使える暑中見舞いの例文
暑中お見舞い申し上げます。
梅雨も明け、からりとした夏の日差しが心地よい季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
さて、○○店では、この爽やかな季節にぴったりのシャツを、サイズ・色柄ともに豊富に取り揃えて入荷いたしました。
いずれも一点ずつのご用意となっておりますので、お早めにご覧いただければ幸いです。
皆さまにお目にかかれますことを、スタッフ一同心より楽しみにお待ちしております。
令和○年 七月
店舗/ブランド名
店長○○○○/スタッフ一同
残暑見舞いの例文集
残暑見舞いの書き方の基本は暑中見舞いと同じです。残暑見舞いを送るタイミングによって季節を表す言葉を書き換えましょう。
取引先・顧客宛の残暑見舞いの例文
残暑お見舞い申し上げます
残暑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さてこの度は丁寧な御見舞いを賜り、誠にありがとうございました。今後ともご期待に沿えるよう、精進してまいります。
時節柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
令和○年 七月
株式会社○○
代表取締役社長 ○○○○
上司・同僚宛の残見舞いの例文
残暑お見舞い申し上げます。
暦の上では秋を迎えましたが、なお厳しい暑さが続いております。
このたびはご丁寧な暑中お見舞い状をいただき、誠にありがとうございました。
美しい絵柄と温かなお心遣いに、心より感謝申し上げます。爽やかな風が吹いたような心持ちになりました。
日頃より何かとお気にかけていただき、重ねて御礼申し上げます。
おかげさまで今夏も元気に乗り切ることができそうです。
○○様におかれましても、夏のお疲れが出ませぬよう、どうぞご自愛のうえお過ごしください。
令和○年 八月
○○○○
暑中見舞い・残暑見舞いを送る際の注意点
暑中見舞い・残暑見舞いを送る際に間違えがちな注意点を確認しましょう。
具体的な日付は記載しない
暑中見舞いや残暑見舞いには「令和○年○月○日」のような具体的な日付を記載する必要はありません。相手方に到着するタイミングと季節の挨拶がずれないように作成しましょう。特に、立秋である8月7日前後の「暑中見舞い」か「残暑見舞い」かが切り替わるタイミングは要注意です。
結語・頭語は入れない
はがきやメールで暑中お見舞い・残暑お見舞いを送る場合、書状で書くべき「拝啓/敬具」「前略/かしこ」といった頭語と結語は不要です。
喪中の相手に送る場合はタイミングとデザインに配慮
暑中見舞い・残暑見舞いは、お世話になった方に送る季節の「挨拶状」です。一年のはじまりを「祝う」年賀状とは違うため、自分が喪中でも、先方が喪中でも出してはいけないということはありません。
ただし、お相手への配慮は必要です。派手な色柄や明るい挿絵を使ったはがきは避け、シンプルで落ち着いたものを選びましょう。
暑中見舞い・残暑見舞いメールの書き方
暑中見舞い・残暑見舞いをはがきや書状ではなく、メールで送る時の書き方について紹介します。基本的な内容はハガキと同じですが、以下のような注意事項があります。
- メールで読みやすいようにメールの文章や改行などを整える
- 一般的な書状の最後に記載する「日付」はメールでは必要なし
- 会社名や担当者名など署名は通常のビジネスメール通り最後に記載する
以上を踏まえ、メールで送信する場合の件名と本文の例文を紹介します。
メールの件名の例
暑中お見舞いとしてメールを送信する場合、件名も「暑中お見舞い」もしくは「暑中お見舞い申し上げます」と件名に記載します。
暑中お見舞いのタイミングで夏季休暇や商品のご案内をしたい場合は、ご案内の要件を件名にします。
暑中見舞い・残暑見舞いメールの例文
【暑中見舞いのメール例文】
件名:暑中お見舞い申し上げます
〇〇様
いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。
暑中お見舞い申し上げます。
連日暑さが厳しくなっておりますが、〇〇様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
先日はお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
近日中に改めてお伺いし、導入いただいたシステムの稼働状況についてご様子をお聞かせいただければと存じます。
まだしばらく猛暑が続くようですので、くれぐれもご自愛のうえお過ごしくださいませ。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
―――――――――――――
〇〇株式会社
部署名
氏名
メールアドレス/電話番号
―――――――――――――
【残暑見舞いのメール例文】
件名:夏季休暇のご連絡
残暑お見舞い申し上げます。
いつも弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
毎日うだるような暑さが続いておりますが、皆様ご健勝でお過ごしのことと存じます。
さて、私事ではございますが8月13日~15日の3日間、夏季休暇を頂戴いたします。
その期間の対応は弊社カスタマーセンターで行いますので、大変恐縮ではございますが該当期間になにかご不明な点・ご質問などありましたら下記署名の電話番号までお問い合わせくださいませ。
暑さ厳しき折、どうぞご自愛くださいますようお祈りしております。
(署名)
暑中見舞い・残暑見舞いの返信・お礼の例文
暑中見舞いや残暑見舞いをいただいたら、その形式合わせた形で返信をするのがスマートです。はがきで頂いた場合ははがきで、メールで頂いた場合はメールで返信しましょう。
【メールで暑中お見舞いをいただいた場合の返信メール例文】
暑中お見舞い申し上げます。
いつもお世話になっております。
早々にお見舞いのお言葉をいただきましてありがとうございます。
毎日熱中症のニュースを見ない日がないほどの暑さですが、○○様のお元気そうなご様子、何よりうれしく存じます。私ども○○様も見習って今夏を乗り切りたいと思います。
とはいえ、厳しい暑さですので水分補給に十分にお気をつけてお過ごしください。
今後ともご指導よろしくお願いいたします。
(署名)
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(まとめ)ひと手間で気遣い、感謝が伝わる暑中見舞い・残暑見舞い
暑中見舞い・残暑見舞いは、お世話になった方を気遣い、これまでのお付き合いに対する感謝をお伝えするための日本ならではのご挨拶です。
書状でのやりとりが減っている今だからこそ、ひと手間をかけることで真摯に気持ちを伝える機会になります。
日本ならではの季節感と美しい日本語表現で暑中見舞い・残暑見舞いを作成しましょう。
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