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直感的行動は利他的、論理的行動は利己的!? 仕事の効率がちょっぴり高まる脳の仕組み

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    今回は、ビジネスにきっと役立つ、アカデミックな脳科学の話をご紹介します。これを読むと、もしかするとあなたの働き方が変わるかもしれません。

     

    ■「好みの一貫性」という問題

    商品を選択する時、時間をかけて選ぶ場合と瞬間的に選ぶ場合では、どちらが「好みの一貫性」がみられるのでしょうか?

    オランダのラドバウド大学のデクスタハウシュ博士らは実験を重ね、熟考すると好みが一定せず、嗜好がブレることを明らかにしたのです。さらに、もともと熟考する傾向のある人は好みが一貫しない傾向があり、瞬時に判断する人は好みが安定していることも示しました。

    アメリカ、ハーバード大学のランド博士らは、この研究を発展させた実験を行いました。お金を手渡しし、そのお金を受け取った人が、どれくらいの金額を寄付するかを観察したのです。その結果、決断が早い人は寄付にまわした金額が多く、熟考する人は自分の利益を優先する傾向が見られました。さらに、判断が遅い人に迅速に判断するように促すと、寄付に回す金額が増えました。

    この研究を紹介した、脳科学者の池谷裕二氏は、次のように解釈をしています。

    「直感的に判断すると好みが一定し、しかも他人に利する行動をとる。一方、一歩踏みとどまって考えると、自分の内なる声に正直でなくなり、しかも利己的になる」

    この心理学の研究成果をビジネスに応用すると、時間をかけて考えると、それだけポイントがブレた中身になってしまいます。しかも、自分勝手なアイデアを盛り込んでしまう可能性があります。心理学によると、瞬間的な考えのほうがいい結果が出るといえそうです。

     

    ■「ツァイガルニク効果」について

    これは、旧ソ連の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク博士が発見した、記憶の性質にまつわる法則です。博士は、次のような実験を行いました。

    パズルを解く、粘土細工でイヌを作る、計算をする、厚紙で箱を作る。そうした様々な課題を、被験者に計1時間、次々に20種類やってもらいました。このうち無作為に選ばれた10種類の課題については最後までやり通してもらい、残りの10種類の課題は未完成のままやり残してもらいました。そして、どういった課題を行ったのかを、その後に思い出してもらうという実験です。

    その結果、完了していない課題は、完了している課題より2倍も思い出しやすいことが分かったのです。課題を遂行している最中は緊張感があるため、課題から離れても心のどこかで気にかけているのに対し、完了すると緊張感からも解放され、記憶が褪せてしまうというのです。

    ちなみに、「ツァイガルニク効果」をネットで検索してみると、これをいかに恋愛に活用すればいいかを教えてくれる記事がたくさん出てきますが、池谷裕二氏は、この法則をビジネスに応用する事例について書いています。

    例えば、切りのよいところで仕事を切り上げるよりも、次の仕事に手をつけてから帰宅したほうが、翌朝、仕事をスムーズに始められるというものです。

    他にも、締め切りまで1ヶ月の猶予のある仕事について、書類を開封せずに放置するよりも、いったん目を通してから放置するほうが、締め切り直前に仕事を素早くかたづけられるということです。

    脳科学的には、放置されている最中に無意識の脳が代理で作業をしてくれているので、仕事の効率が高まると、説明できるのだそうです。

    このような心理学や脳科学を活かした仕事術を身につけることで、仕事の質を高めることが可能になるでしょう。

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