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キーワードはLGBT。これからの企業が目指すべき“働きやすさ”とは?

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近年の厳しい雇用情勢の中、優秀な人材を確保する方法として「働きやすい会社」作りの機運が高まっています。その一つに挙げられるのが「LGBTフレンドリー」。「LGBT」とは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の人びとを意味する頭字語です。

LGBTの理解に向けて、近年は社会全体での歩みが大きくなっています。その理由は2014年、オリンピック憲章に「性的指向による差別撤廃」が盛り込まれたこと。さらに2020年の東京五輪が、LGBT受け入れの追い風となっていると言います。

約13人に1人はLGBTという現状を認識していますか?

Gay couple in the crowd of similar simple people on white

2015年3月、東京都渋谷区で同性カップルに対し結婚に準じる関係と認める「同性パートナーシップ証明書」発行の条例案が国内で初めて可決成立しました。その後、東京都世田谷区、兵庫県宝塚市、三重県伊賀市、沖縄県那覇市なども続きました。そのような社会の流れに呼応して、多くの企業が社内革命に乗り出しつつあります。

というのも、約13人に1人の割合でLGBTが存在するとされ、社員が100人いれば7、8人はLGBTという実情に企業がようやく気がついたから。しかし、依然として偏見や差別意識が強く、基本的な理解が不足しています。

日本労働組合連合会が2016年8月に発表した「LGBTに関する職場の意識調査(20〜59歳の有職男女1,000名)」でも、その現状を知ることができます。8%が自らを「LGBT等当事者」と答える一方で、「一部の職業に偏っていて普通の職場にはいない人びと」と考える人は16.5%に上りました。また、職場の上司・同僚・部下がLGBTだったらどう感じるかを聞くと、「嫌だ」という人が35%という結果に。男女別では男性、年代別では年齢が上がるほど「嫌だ」と答えた人が多いことがわかったと言います。

LGBT受け入れに動き出した企業から見えることとは?

man waving a small rainbow flag

日本で企業がLGBTに関心を持つようになったのは、2000年代後半と言われています。その背景はグローバル社会からの要請。国際社会ではLGBTへの対応が無視できない人権課題だと認知されています(参照:知っておくべきLGBTの権利とマーケットの関係)。

つまり日本企業も国際社会と同様の対応が必要になった訳です。日本におけるLGBTの先進的な取り組みとして挙げられるのが日本IBM。「ダイバーシティー委員会」を設置し、「LBGTの人びとも気兼ねなく働ける環境とネットワーク作り」を目標として掲げる「セクシュアル・オリエンテーション部門」を下部機関として設け、会社がLGBTをサポートすると明言しました。最近では「同性パートナー登録制度」も新設。介護休暇や転勤時の赴任旅費など、事実婚を含む男女間の結婚と同じ支援をしています。

これに続き、野村証券、ソニー、パナソニックも、同性婚のカップルも結婚に相当すると認め、慶弔休暇や住宅手当などの福利厚生策を適用しています。

2015年3月には、「ありのままで働きたい」と願うLGBTの学生のために、金融業界企業約15社によるLGBTファイナンスや日本IBMやヤフーなどのIT企業連合による、LGBT学生向けの業界説明会が開かれました。エントリーシートの性別欄をなくすなど、企業や社会の理解は少しずつ広がりつつあります。

「自分の当たり前を押し付けない」風潮が働きやすさにつながる

最近では、ダイバーシティーポリシーや社内規定に、LGBTを差別してはいけないと記載する企業が増えていると言います。また、社内にLGBTアライ(理解者)を増やす活動をしたり、社外への発信としてLGBT関連イベントのスポンサーになる企業もあります。中小企業でも、従業員や将来従業員になる人たちに対する支援や制度の拡充は考えるべき課題です。LGBT向け商品開発・サービス開発なども有効かもしれません。

企業努力とともに、自分自身の偏見や意識を変えることも重要です。社内や取引先にLGBTがいるのは当たり前のことで、何も特別なことではありません。「彼・彼女(異性の恋人)がいるのか?」、「なぜ結婚しないのか」と聞くなど、自分自身の当たり前を押し付けるのは、相手にとってプレッシャーになることもあります。誰かを追い詰めない社会は、自分も追い詰められない、安心して過ごせる社会ということです。一人一人の意識改革が、より働きやすい社会への一歩につながります。

 

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