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ポケモンGOはただのゲームじゃない!ゲーム×ビジネスチャンス拡大の可能性

    スマートフォン公開直後から世界的な大ブームを巻き起こし、日本でも社会現象となったゲームアプリ「Pokémon GO(ポケモンGO)」。一体なぜこれほどまでに大きな影響を引き起こすことができたのでしょうか?ポケモンGOは、何がこれまでのゲームと違うのか、ポケモンGOに使われている技術に着目しながら、ゲームの世界と連動させた新たなビジネスの可能性について探っていくことにしましょう。

    大ブームの原動力は「ARと位置情報」の組み合わせ

    ポケモンGOが持つ特徴のひとつは、AR(Augmented Reality=拡張現実)の技術を利用していることです。ARは、文字通り現実を「拡張」する技術のこと。たとえば、スマートフォンなどのデバイスを通して特定の場所を見ると、デジタルの画像や文字が画面上に浮かび上がってくる、といったものです。この技術を用いることで、私たちが見たり聞いたりして体感している「現実」にさらなる情報を載せ込み、より魅力的な情報に変えることが可能性になりました。

    ポケモンGOふたつめの特徴は、「位置情報の利用」です。ポケモンGOは、スマートフォンのGPSを利用して利用者の位置情報を取得する機能があり、その情報を元に「近くにいるポケモン」や「アイテムが取れるポイント」などの情報を常に更新しています。つまりポケモンGOは、ARを機能させるためのマーカーとして位置情報を利用しているのです。

    「ARと位置情報の組み合わせ」は、社会に変化をもたらしました。ポケモンGOが公開されてまもなく、世田谷公園(東京都世田谷区)や新宿御苑(東京都新宿区)など特定の場所に大量のポケモンGOプレイヤーが集まるという現象が起こりました。ポケモンGOでは、特定の場所に珍しいポケモンが出現しやすいよう設定されており、多くのプレイヤーが集まったのは、そうした「ポケモンの巣」に設定された場所だったのです。今までは特別に混雑することがなかった場所に突如人が集まり、混雑した様子を映した映像や写真を目にした人も多いのではないでしょうか。

    ポケモンGOは「集客」の方法に革命をもたらした

    Pedestrain Walkway Crosswalk Crowded Consumerism Concept「人を集める」というポイントに注目して、ポケモンGOがもたらした社会の変化を紐解いていきましょう。ビジネスにおいて「他所からお客様を呼び込む」場合、重要となるのは「他所と明確に差別化されており、それを魅力にお客様が来てくれる」ことです。東京タワーやディズニーランドなどの有名な観光地は施設(建築物)の差別化がうまくなされています。しかし、そういった魅力的な施設を新しくつくるのは大きな予算が必要になります。

    そのため、魅力的な施設がない場合は「魅力的なコンテンツを用意して呼び込む」ことが重要になります。たとえば、音楽フェスティバルなどの特別なイベントを企画する、接客の質を上げるなどの提供するサービスに力を入れるという方法があります。

    このように、今までは「他所からお客様を呼び込む」ためには「施設に魅力がある」か、「魅力的なイベントやサービスを準備する」が主な方法でした。しかし、ポケモンGOが人を多く集めた方法は今までの方法とは異なります。ポケモンの「巣」に設定された場所は、意図や目的がありません。ゲーム上の「魅力的なコンテンツ」が「実際の場所」と結びつけられ、しかもその設定はいつでも容易に変えることができるのです。

    これは「人を呼びたい場所と魅力的なコンテンツを、いつでも自由に結びつけられるようになった」ことを意味しています。ポケモンGOがほかのゲームと革新的に違うのは、まさしくこの点なのです。

    ポケモンGOを活用した「地域おこし」の事例

    すでに一部の団体はこの利点に注目し「ポケモンGOを用いた地域おこし」を始めています。事例をご紹介しましょう。

    鳥取県

    記事142_3出典:http://www.pref.tottori.lg.jp/259227.htm

    「安全にスマホ・ゲームを楽しめる場所」として、鳥取県が鳥取砂丘の「解放区宣言」を発しています。もちろん、安全に配慮した最低限のルールは存在しますが、一面が砂で転倒してもけがをする危険などが少ないことから、砂丘の魅力のPRになると期待しているようです。

    大阪府

    ポケモン取り放題! 大阪の商店街、有料アイテムで集客

    出典:http://www.asahi.com/articles/ASJ7Y6V9ZJ7YPTIL01Z.html

    大阪市旭区の「千林商店街」が開催したイベントです。7月30、31日にかけて、商店街周辺でポケモンが出やすくなるアイテムを使用し、ポケモンGOユーザーを呼び込もうという計画を立てました。見事に狙いは成功し、商店街は大いに賑わった模様です。

    鳥取砂丘も千林商店街も、そもそも「ポケモン」とはなんの関係もない土地。しかし、「実際の場所とゲームのコンテンツを自由に結びつけられる」というポケモンGOの特徴にいち早く気がつき、人を呼び込むことに成功しています。これからはポケモンGOに限らず、バーチャル上の魅力的なコンテンツと実在する場所を結びつけて人を呼び込む試みが増えていくことでしょう。

     

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