弁護士はレンタルオフィスで開業可能?事務所の登録要件や注意点を解説

独立開業を検討する弁護士にとって、事務所選びは資金計画と直結する課題です。賃貸オフィスより初期費用を抑えられるレンタルオフィスは選択肢のひとつですが、弁護士事務所として登録できるかどうかは物件の構造や設備によって左右されます。
本記事では、弁護士がレンタルオフィスを事務所として利用する際に確認すべき要件、メリット、選び方の注意点を解説します。
弁護士はレンタルオフィスで開業可能?

結論として、要件を満たしたレンタルオフィスであれば、弁護士事務所として開業する事務所に使用できます。ただし、住所だけを借りるバーチャルオフィスは認められません。
東京弁護士会が公表する独立開業マニュアルでは、事務所としての実体を伴わない形態は弁護士法第20条が定める事務所設置義務に抵触するとの見解が示されています。同様に、個室を持たないコワーキングスペースも、守秘義務の観点から事務所には適さないとされています。
弁護士がレンタルオフィスを利用する場合は、施錠可能な個室があること、会話が外部に漏れない防音性が確保されていることなど、所属予定の弁護士会が定める基準を満たす物件を選ぶ必要があります。開業拠点を検討する段階から、こうした要件を前提に物件を絞り込むと後の手続きがスムーズです。
参考:e-Gov法令検索「弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)」
\弁護士事務所としても利用可能なレンタルオフィス/
■関連記事
士業の独立開業にレンタルオフィスを活用!事務所要件と選び方
レンタルオフィスとは?メリットデメリットや費用を解説!
弁護士事務所として利用するために確認すべき設置要件

弁護士事務所としてレンタルオフィスを登録するには、次の5つの観点から物件が要件を満たしているかを確認します。
事務所が常時存在すること
弁護士は職務上知り得た秘密について、弁護士法第23条及び弁護士職務基本規程第23条により保持義務を負います。事件記録や証拠物件を保管する以上、施錠できるキャビネットや書庫を設置できる個室であることが前提となります。
神奈川県弁護士会の届け出資料でも、執務室が施錠して管理できる個室であるかどうかが確認事項として挙げられています。共用の収納スペースしかない物件では、この要件を満たすのが難しくなります。
機密情報を適切に管理できること
職務上で知り得た秘密を守るため、弁護士には保持義務が課されており、事件記録や証拠物件は施錠できるキャビネットや書庫を備えた個室での保管が前提となります。
記録やクライアントの個人情報に関わる書類も、第三者の目に触れない場所に保管できる環境が求められ、弁護士職務基本規程第18条では、事件記録の保管・廃棄いずれの場面でも秘密及びプライバシーに関する情報が漏れないよう注意しなければならないと定められています。
防音性が確保されていること
法律相談の内容は依頼者の極めてプライベートな情報を含みます。パーティションのみで天井が仕切られていない部屋では会話が漏れる可能性があるため、天井まで壁で仕切られた完全個室を選ぶことが基本です。
独立したスペースであることは、守秘義務の観点から会話が筒抜けになるのを防ぐ意味でも欠かせません。契約前の内見時には、隣室や廊下への音漏れを実際に確認しておくと安心です。
営業時間中にほかの利用者が近くにいる状況を想定し、実際の会話音量で確認すると判断しやすくなります。
固定電話番号があること
事務所専用の電話番号を持つことも、弁護士会への届け出で確認される項目のひとつです。ほかの利用者と番号を共有する形態では、依頼者や裁判所からの連絡が第三者に渡るリスクが生じます。そのため、契約前には事務所専用の番号を確保できるかを運営会社へ確認しておきましょう。
併せて、着信対応の体制まで把握しておくと、開業後の運用を具体的にイメージしやすくなります。
郵便物が適切に管理できること
事務所名を表示できる独立した郵便受けがあり、管轄郵便局からの配達に対応できることも確認事項に含まれます。
訴訟関係の書類など重要な郵便物を扱うため、ほかの利用者と混同されない管理体制が求められます。有人での郵便受付や転送に対応できるなど、個別管理ができる環境かどうかも確認しておくと安心です。
書留や特定記録郵便の受け取り体制まで確認しておくと、開業後の書類管理に不安が残りません。
弁護士がレンタルオフィスを利用するメリット

事務所要件を満たせば、レンタルオフィスならではのメリットを活かせます。主な利点は以下の通りです。
開業時の初期費用を抑えられる
一般的な賃貸オフィスでは、敷金や礼金、内装工事費、什器購入費などまとまった初期投資が必要です。
レンタルオフィスは家具やインターネット回線があらかじめ整っているため、開業時の支出を抑えやすくなります。独立直後は運転資金の確保も課題になりやすく、初期投資を圧縮できる点は経営面での利点になります。
什器や通信環境を個別に手配する手間がかからないため、開業資金を案件対応や広報活動などほかの用途に振り向けやすくなる点も実務上の利点です。
開業準備にかかる時間を短縮できる
内装工事や什器の手配が不要なため、契約後すぐに業務を開始できる点も特徴です。独立直後は依頼者対応と並行して開業準備を進める場面も多く、準備期間の短縮は実務上のメリットになります。事務所探しから開業までの期間を短くできれば、案件受任のタイミングを逃しにくくなります。
物件によっては内見当日の契約から数日で入居できるケースもあり、開業日を前倒しで設定しやすくなるでしょう。
事務所所在地の選択肢を広げられる
裁判所や弁護士会への訪問頻度を踏まえると、都心の一等地に事務所を構えたいと考える弁護士は少なくありません。
レンタルオフィスであれば、賃貸物件を単独で借りるより低いコストで好立地の住所を利用できる場合があります。交通アクセスの良さは依頼者の来訪しやすさにもつながります。複数駅からアクセスできる立地を選べば、遠方の依頼者や高齢の依頼者にとっても訪問しやすい事務所になります。
\弁護士に人気のサーブコープの拠点!丸の内トラストタワー本館/
受付や電話対応などのサービスを利用できる
開業直後で事務員を配置できない段階でも、受付スタッフによる来客対応や電話取次サービスを利用できる物件があります。
本来の業務に集中しながら、対外的な対応品質を保てる点は、独立開業初期に助かる部分といえるでしょう。人員を増やすタイミングを見極めながら業務量を調整することもできます。
案件数が安定してから採用計画を立てられるため、人件費の先行負担を抑えながら事業を軌道に乗せやすくなります。
完全個室や会議室を利用できる
執務は個室で行い、依頼者との面談は別途会議室を予約する運用にすれば、限られたスペースでも来客対応と機密保持を両立できます。
会議室が共用設備として用意されている物件なら、専用の応接室を設けなくても面談が可能です。複数人での打ち合わせが必要な案件にも柔軟に対応できます。
契約書の取り交わしや相手方代理人との協議など、人数や用途に応じて部屋の広さを選べる点も、実務上の使いやすさにつながります。
清掃の手間を省き、業務に集中できる
室内や共用スペースの掃除、ごみの収集が運営会社などによって行われるレンタルオフィスであれば、清潔感のあるオフィス環境を保ちやすくなります。自身で掃除をする必要がなく、日々の業務に集中できる点もメリットです。
清掃にかかる手間を省けることで、限られた時間を依頼者との打ち合わせや書類作成などの業務に充てやすくなります。また、オフィスがきれいに整えられていれば、急な来客があった場合にも慌てて掃除をする必要がなく、落ち着いて対応できるでしょう。
事業拡大に応じて柔軟に移転・増床できる
案件数の増加に応じて執務室を広げたい、あるいは拠点を追加したいといった変化に対して、賃貸契約より柔軟に対応できる点もレンタルオフィスの特徴です。契約期間の縛りが比較的緩やかな物件を選べば、事業規模の変化に合わせた見直しがしやすくなります。
共同経営に移行する際の拠点拡張にも対応しやすくなります。複数拠点を展開する運営会社であれば、同一ブランド内での移転がしやすく、開業当初からの信用を保ったまま事務所規模を調整できます。
レンタルオフィスを選ぶ時の注意点・ポイント

事務所要件とメリットを踏まえた上で、契約前に確認しておきたい3つのポイントを挙げます。
法人登記や弁護士事務所登録が可能なレンタルオフィスを選ぶ
運営会社によっては、法人登記に対応していない物件や、登記利用に別途費用がかかる物件があります。契約前には、登記の可否や利用条件を確認しておくことが大切です。
また、料金体系は運営会社ごとに異なるため、月額費用に含まれるサービスの範囲まで把握しておくと、開業後の想定外の出費を防げます。
さらに、契約プランによっては会議室の利用時間や郵便物対応の回数に上限が設けられている場合もあり、想定する業務量に見合った内容かどうかを見積書の段階で確認しておくと安心です。
守秘義務に配慮した環境が整っているか確認する
完全個室であること、施錠可能な保管設備があること、周囲に会話が聞こえない防音性が確保されていることは、いずれも守秘義務を果たすための前提条件です。
施錠可能な個室や書類保管設備だけでなく、面談時の音漏れ対策やセキュリティ体制など、依頼者の情報を適切に管理できる環境かどうかを、総合的に確認する必要があります。内見時には、実際にドアを閉めた状態での音の漏れ方を確認しておくと判断しやすくなります。
書類の受け渡しや廃棄の際の管理体制も併せて確認しておくと、依頼者から預かった記録の取り扱いに不安が残りません。
所属弁護士会に事前に問い合わせをする
事務所登録の具体的な要件は、弁護士会ごとに異なる場合があります。必要な事務所要件や設備・サービスをはじめ、レンタルオフィスで登録できるかどうかも一律ではありません。
そのため、物件を契約する前に所属予定の弁護士会に届け出内容を確認しておくことで、契約後に登録できないといったトラブルを防げます。
また、届け出書類の様式や必要な確認事項にも違いがあるため、早めに問い合わせておくと開業までのスケジュールを立てやすくなります。
サーブコープのレンタルオフィスが弁護士に利用される理由

レンタルオフィスを検討する際は、事務所要件や設備、セキュリティなど、気になる点が少なくありません。ここでは、弁護士が安心して利用できる理由を交えながら、サーブコープの特徴を紹介します。
士業向けの事務所として利用実績がある
サーブコープのレンタルオフィスは遮音性の高い完全個室仕様で、士業の事務所要件を踏まえた設計になっています。
弁護士・税理士・行政書士など幅広い士業の事務所登録実績があり、初めてレンタルオフィスで開業する場合でも、必要な確認事項を事前に相談しやすい体制が整っています。
事務所要件を満たせるかという懸念に対して、実績に基づいた相談ができる点は独立開業を控える弁護士にとって心強い部分です。
一等地住所利用による信頼性や利便性の向上が期待できる
サーブコープは、東京・横浜・名古屋・大阪・福岡の、いずれも主要ビジネスエリアに拠点を構えているため、事務所所在地として高い信頼感を与えやすい点が魅力です。
独立開業直後は事務所の知名度が十分ではないケースも多く、所在地が依頼者や取引先に安心感を与える要素のひとつとなります。その結果、相談や問い合わせの後押しにつながることも期待できます。
受付・秘書サービスによる業務効率化を図れる
受付にはバイリンガル秘書が常駐し、来客対応や電話取次を任せられるため、対応品質を保ちながら本来の業務に集中できます。海外関係者とのやり取りが発生する案件でも、対応窓口として機能します。
裁判所への出廷や打ち合わせで事務所を空ける時間が多い弁護士業務において、来客・電話対応を任せられる体制は、顧客対応への懸念を抑える意味でも役立ちます。
充実したITサポートサービスを提供している
通信環境やIT関連のサポート体制が整っているため、事務所開設時のネットワーク構築にかかる負担を抑えられます。開業直後にシステムトラブルへ対応する人員を確保しにくい段階でも安心です。
オンライン会議やクラウドでの資料共有を行う機会が増える中、通信環境が最初から整っている点は、業務を止めずに開業できる要因のひとつになりうるでしょう。
セキュリティ面の設定や機器トラブルへの対応を自身で行う必要が少ないため、開業初期から案件対応に時間を割きやすくなる点も利点です。
他士業や経営者との人脈形成・協働が期待できる
同じ拠点に他士業や企業経営者が入居している場合、日常的な接点を通じて案件相談や協業につながる場面もあります。
独立開業直後の営業活動が限られる時期において、拠点内でのつながりが案件獲得の一助になることもあります。
税理士や司法書士などの関連士業と同じ拠点に入居していると、依頼者からの相談内容に応じて、お互いに適切な専門家を紹介し合える関係を築きやすくなります。
また、拠点内で開催される交流会やイベントに参加することで、開業直後から自然な形で人脈を広げられる場合もあります。
\主要ビジネスエリアでの開業をサポートするレンタルオフィス/
(まとめ) 弁護士の開業は要件を満たしたレンタルオフィスも有力な選択肢

レンタルオフィスは費用を抑えつつ一等地の住所を利用できるため、独立開業を控える弁護士にとって心強い選択肢です。ただし、完全個室であることや守秘義務に配慮した環境であることなど、弁護士会が定める事務所要件を満たしているかどうかは事前の確認が欠かせません。
サーブコープでは、プライベートツアーも実施しており、実際の環境を見ながらご要望に沿ったプランを提案しています。事務所要件を満たせるか、運営面で不安がないかなど、弁護士事務所としてのレンタルオフィス利用について詳しく知りたい場合は、サーブコープへお気軽にお問い合わせください。



