サーブコープブログ知識・ノウハウ収入印紙とは? 必要な領収書の金額はいくらから? 元国税専門官が解説!

収入印紙とは? 必要な領収書の金額はいくらから? 元国税専門官が解説!

領収書や契約書に、切手に似た「収入印紙」が貼られているのを見たことがありますよね。収入印紙とは、国税のひとつである印紙税を納付する際に必要になるものですが、いくらからの領収書に必要なのか、買い方や貼るときの注意点について、元国税専門官のライターが分かりやすく解説します。

収入印紙とは?

収入印紙とは、印紙税を徴収する目的で政府が発行する証票(紙状のもの)のこと。対象となる文書に貼ることで、印紙税を納税したことになります。さらに詳しく、収入印紙のルールについて見ていきましょう。

課税文書とは?

収入印紙を貼るのは契約書や領収書など、20種におよぶ「課税文書」です。たとえば「不動産売買の契約があった」「請負契約を締結した」といった、印紙税の対象となる事実があり、この事実について記載された文書が「課税文書」にあたります。

印紙税の課否判定は次の図のとおりです。

▲印紙税の手引|国税庁ホームページより抜粋

文書に税金がかかる理由

なぜ文書にまで税金がかかるのかが、理解しにくい面もあるでしょう。

その理由を理解するには、印紙税の成り立ちがヒントになります。国税庁の情報によると、日本において印紙税法が初めて公布されたのは1873年にさかのぼります。導入の背景には、農家に厳しく、商人に優しかった当時の税制があり、商人に対する税を強化するために印紙税が導入されました。商人にとって、契約書や領収書などの文書は仕事に欠かせないものですから、その点に着目して印紙税が日本に導入されたものと考えられます。

それでは、現在のビジネスにおいても欠かせない「領収書」をピックアップして、収入印紙の基本ルールについて解説します。

収入印紙が必要な領収書はいくらから?

領収書であっても、必ず収入印紙が必要となるわけではありません。金額基準がありますので、判断のポイントを解説します。

5万円以上か5万円未満か

領収書の場合、以下のいずれかに該当すると非課税です。つまり、領収書に収入印紙を貼る必要はありません。

1 記載された受取金額が5万円未満のもの

2 営業に関しないもの

3 有価証券、預貯金証書など特定の文書に追記したもの

この条件のうち、とくに覚えておきたいのが1です。記載された受取金額が5万円より1円でも下回れば収入印紙は不要です。

 

領収書に書かれた消費税はどう考える?

領収書について迷いがちな点に、「消費税込みで判定するのか?」というものがあります。この点については、消費税額が明らかに記載されていれば、消費税の金額は判定に含めなくても構いません。

つまり「代金(税抜き)48,000円、消費税4,800円」や「代金(税込み)52,800円、うち消費税4,800円」といった記載であれば、税抜きの受取金額は5万円未満ですから、収入印紙を貼る必要はありません。

5万円以上でも収入印紙が不要なケースとは

説明したとおり、収入印紙を貼るべきかを判断するときは「5万円」が基準になりますが、例外もあります。5万円以上の領収書でも、収入印紙がいらないケースを確認しておきましょう。

電子データで発行する領収書

受取金額5万円以上の領収書は、原則として収入印紙が必要となるのですが、5万円以上であっても印紙がかからないケースがいくつかあります。まずは、電子発行した領収書です。たとえば領収書のPDFデータを電子メールで送信するような場合、「課税文書の作成」にはたらず、収入印紙が必要ない、ということです。

クレジットカード払いの領収書

次に、クレジットカードで支払いを受けた場合の取り扱いを説明します。実は、この場合も収入印紙は不要です。クレジット販売は、印紙税の対象になっていないので、たとえ「領収書」という表題の書面を発行したとしても、収入印紙を貼る必要はありません。

銀行振込は要注意!

間違えやすいのが、「振込払い」です。たとえば商品を販売して、代金を銀行振込で受け取ったとしましょう。このとき、紙の領収書の発行を求められたら、収入印紙を貼る必要があります。

 

収入印紙の金額は何種類?

印紙の種類は31

収入印紙は、切手のように額面金額があり、1円から100,000円まで全31種類が販売されています。領収書に貼る収入印紙は、領収書の記載金額によって変動しますので、小銭のようにいくつかの種類を用意しておくと良いでしょう。

▲収入印紙の形式改正について|国税庁ホームページより抜粋

領収書に貼付する収入印紙の金額

領収書の内容や記載された受取金額に応じて、貼るべき収入印紙は以下のとおりです。下の表の「売上代金に対するもの」とは、商品やサービスを販売した場合を指します。一方、「売上代金以外に対するもの」は、借入金や保険金などを受け取った場合です。

 

領収書の内容 記載された受取金額 印紙税額
売上代金に対するもの 5万円以上 100万円以下 200円
100万円超 200万円以下 400円
200万円超 300万円以下 600円
300万円超 500万円以下 1,000円
500万円超 1,000万円以下 2,000円
1,000万円超 2,000万円以下 4,000円
2,000万円超 3,000万円以下 6,000円
3,000万円超 5,000万円以下 1万円
5,000万円超 1億円以下 2万円
1億円超 2億円以下 4万円
2億円超 3億円以下 6万円
3億円超 5億円以下 10万円
5億円超 10億円以下 15万円
10億円超 20万円
受取金額の記載なし 200円
売上代金以外に対するもの 200円

印紙はどこで買える?

収入印紙を買える場所は複数ありますが、代表的なものを見ていきましょう。

・郵便局

一般的な郵便局では、31種類すべての額面の収入印紙が用意されています。ただし、平日の日中しか窓口が開いていないため、時間内に利用するようにしましょう。

・コンビニエンスストア

24時間利用できるコンビニは便利ですが、収入印紙の取り扱い状況は様々です。主要なコンビニでは取り扱いがありますが、額面は基本的に200円のみです。また、駅構内など、小規模なコンビニでは収入印紙が置かれていない可能性があります。

・法務局

法務局によっては、収入印紙の販売所が設けられているところがあります。ここでも、すべての額面の収入印紙がそろっています。

・その他

収入印紙を買える場所は上記が代表的なものですが、ほかにも、市役所や県税事務所、銀行、パスポートセンターなどでも収入印紙の取り扱いがあります。

 

収入印紙の貼り方と割り印の押し方

収入印紙は貼るだけではなく、「消印」という処理をする必要があります。消印に関するルールは以下のとおりです。

 

消印(割り印)とは?

消印とは、課税文書と収入印紙にまたがるように押印することで、「割り印」と呼ばれることもあります。このルールは、収入印紙の再利用防止のために設けられています。

消印(割り印)に使う印鑑

消印をする印鑑は、一般的な印鑑のほか、氏名や名称などを表示したゴム印のようなものでも差し支えありません。たとえば契約書そのものは実印を使ったとしても、その契約書に貼る印紙は実印を使わなくても大丈夫です。

誰が消印(割り印)をすべき?

文書の作成者だけでなく、代理人や従業員などによる消印も認められています。たとえば会社の名前で領収書を発行するときは、社長だけでなく、代理人や従業員でも問題ありません。

手書きサインで印鑑の代わりにできる?

氏名や通称、商号などをペンで自筆して消印をすることも可能です。ただし、単に斜線を引くような方法は認められていません。目的はあくまで収入印紙の再発防止にあるので、たとえ収入印紙が課税文書から剥がれたとしても、どの文書にどの収入印紙が貼られていたのかが分かるように意識しておきましょう。

 

収入印紙を貼らないと違反?

収入印紙は、印紙税を納めるために貼るものです。課税文書に収入印紙を貼らなかった場合、以下のとおり罰則が設けられています。

税務署から指摘された場合

たとえ印紙税について知らなかったり、単に貼り忘れたりした場合でも、税務署から貼り漏れの指摘を受けると「印紙税の額の3倍」が過怠税として徴収されます。

自己申告した場合

印紙税の貼り忘れなどを自主的に申し出た場合は、過怠税は印紙税の金額の1.1倍になります。課税文書に収入印紙を貼っていないことに気づいたら、税務署から指摘される前に申し出ることで、過怠税を少なくできます。

消印(割り印)漏れにも罰則

「消印(割り印)忘れ」にも注意が必要です。収入印紙を貼っていても消印がなければ、消印をしなかった収入印紙と同額の過怠税が徴収されます。

 

誤って収入印紙を貼った場合

本来は貼る必要のない文書に、誤って収入印紙を貼った場合、還付してもらうことができます。誤って貼った文書と「印紙税過誤納確認申請書」を所轄税務署に持参または郵送すると、後日、収入印紙の代金が戻ってきます。

 

まとめ

今回は、領収書などに貼る収入印紙について解説しました。収入印紙は印紙税を納めるためのものです。5万円以上の領収書などの課税文書を発行するときは、収入印紙を貼る必要があります。また、収入印紙は貼るだけでなく、消印(割り印)をすることも忘れないようにしましょう。

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