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会社設立のときに必要となる定款とは?意味や記載事項、提出方法などをわかりやすく解説

会社の設立には、「定款(ていかん)」が必要になります。定款とは簡単にいうと、会社の基本情報や規則などが記載された「会社の憲法」のようなもの。

株式会社を設立する際に必ず作成しなければいけない書類です。本記事では、定款が必要な理由や記載事項、作成の流れについてわかりやすく説明します。

定款(ていかん)とは?

定款とは

定款は会社設立における最も重要な書類のひとつで、作成は「会社法」という法律で定められています。

記載する事項は、会社の名称や事業内容、住所などの基本情報をはじめ、資本金額や株主総会の開催規定、事業年度に関する定めなど。会社の指針となるため「会社の憲法」に位置づけられる書類といえるでしょう。

定款を作成したら、会社の本店所在地を管轄する公証役場に提出し、公証人による認証を得る必要があります。

会社設立に定款が必要な理由は?

株式会社を設立するのに、なぜ定款が必要なのでしょうか? 大きく分けると2つの理由があります。

1つは、後述しますが、助成金や許認可などを行政機関に申請をする場合や法人口座開設の際に必要となるからです。

もう1つは、定款は「会社のルールブック」となるため。役員の人数や報酬、事業内容、事業年度、株券発行の定めなど、会社設立の際には、会社運営の根幹となる規則を決めておく必要があります。

従業員のルールとして「就業規則」を定めるように、会社運営のルールとして「定款」が必要となるのです。

定款が不要な場合

ただし、定款の認証が不要な場合もあります。 会社法では、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類の会社について定めています。

株式会社以外の3つの会社を「持分会社」といい、会社は大きく「株式会社」と「持分会社」に分けることができます。

会社の種類定款
 

株式会社 

 

 

必要

 

持分会社

(合名会社・合資会社・合同会社)

 

不要

 

定款認証は、株式会社のみ必要となり、持分会社の設立時には必要ありません(会社法第30条)。

定款の提出が必要なケース

定款は、どのような場面で提出が必要になるのでしょうか? 代表的なのは以下のようなケースです。

また、提出は原本ではなく、定款のコピーに原本証明を付けるのが一般的です。

・助成金を申請する場合

・許認可申請など行政機関への申請をする場合

・法人口座などを開設する場合

定款に記載が必要な事項とは?

定款には、「絶対的規制事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つの事項を記載する必要があります。それぞれの内容について説明します。

■絶対的記載事項

絶対的規制事項とは、定款に必ず記載すべき事項として会社法27条によって定められています。以下の①〜⑤について記載されていない定款は無効となります。

①商号

「商号」とは、会社の名称です。

 

②目的

「目的」とは、事業内容です。会社を設立するにあたり、具体的に何を事業とするのかを記載します。

 

③本店所在地

「本店所在地」とは、会社を登記する際の住所です。

自宅などでテレワークをすることを前提に所在地だけ別の場所にしたい場合などは「バーチャルオフィス」を利用する方法もあります。

 

「住所貸し」とは違うもの? バーチャルオフィスの違法性や注意点、メリットを徹底解説

 

④設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」とは、会社設立後の資本金に相当するものです。

会社を設立する上でいくら出資したのか、資金の総額を記載します。

 

⑤発起人の氏名または名称及び住所

「発起人の氏名または名称及び住所」とは、会社を設立する上で必要となる発起人全員の氏名と住所です。

発起人とは、会社設立の際に資本金の出資や定款の作成など会社設立の手続きを行う人です。

株式会社の場合、発起人は会社設立後、出資した資本金の金額に応じて株式が発行され株主となります。

■相対的記載事項

相対的記載事項とは、必ずしも定款に記載する必要はないものの、記載がないとその事項について効力が認められない事項です。たとえば、以下のような事項が挙げられます。

・現物出資がある場合についてその内容

・株主の譲渡制限に関する規定

・株主総会などの招集通知を出す期間の短縮

・株券発行の定め

・取締役会の設置に関する規定

・役員の任期の伸長

・発起人が受ける報酬、その他の特別な利益の内容

相対的記載事項を定款に記載しなくても、定款自体は有効ですが、記載されていない事項については、効力が発生しないことに留意する必要があります。

■任意的記載事項

任意的記載事項とは、絶対的記載事項・相対的記載事項に記載した事項以外で、法律に違反しない、会社が任意で決めた事項を記載できる項目です。以下のような事項が挙げられます。

・株主名簿の基準日

・定時株主総会の招集時期

・役員の人数

・役員報酬に関する事項

・配当金に関する事項

・事業年度に関する定め

任意的記載事項は定款に記載する義務はありませんが、定款に記載することによって決定した事項を明確にすることができます。変更が生じた場合は、定款変更の手続きが必要になります。

定款の作り方と提出から認証の流れ

定款とは、どのように作成・提出し、認証されるのでしょうか? 定款の作り方や提出方法、認証の流れについて説明します。

定款はどのように作る?

定款のフォーマットや記載する用紙の種類は、特に決まりはありません。ただし、通常は以下のようなルールで作成されています。

・A4用紙の片面に横書きで記載する

・文字の色は黒のみを使用。大きさを12ポイントにして標準書体で印刷

・手書きも認められているが、鉛筆の使用は不可

・使用する言語は日本語のみ

・表紙(商号などを記載)、本文、裏表紙の順にステープラ(ホチキス)などを用いて綴るか袋とじにする

・末尾に作成日時を記載して発起人全員が署名・捺印

・各葉(まいよう)に契印を押す(袋とじにした場合は、つなぎ目に契印する)

・同じ内容の書面を最低でも3部作成する(保存用、公証役場提出用、法務局提出用)

日本公証人連合会の公式サイトに「定款等記載例」が掲載されています。「小規模な会社」「中小規模の会社」「中規模の会社」「大規模の会社」と会社の規模ごとに記載されているので参考にしてみましょう。 

また、ワード形式で定款および委任状を作成したい場合は、「Word」のアイコンをクリックしてダウンロードし解凍することで、ワード形式の定款および委任状の記載例を利用することができます。

 

日本公証人連合会https://www.koshonin.gr.jp/

定款はどこに提出する?

定款の提出先は、公証役場になります。公証役場は法務省が管轄する役所ですが、市区役所にあるわけではありません。上記の日本公証人連合会の公式サイトに「が記載されています。会社の本店所在地を管轄する公証役場に提出しましょう。

株式会社、一般社団法人、一般財団法人、弁護士法人、司法書士法人、行政書士法人、税理士法人、社会保険労務士法人、土地家屋調査士法人、特許業務法人、監査法人、相互会社、特定目的会社、金融商品会員制法人、信用金庫、信用中央金庫、信用金庫連合会

上述したように、持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)は、定款の認証は必要ありません。

定款認証の流れ

定款認証には、「紙の定款(書面)」「オンライン申請による電子定款」「オンライン申請とテレビ電話による電子定款」の3つの提出方法があります。それぞれのおおまかな流れを説明します。

■紙の定款(書面)

①定款を作成後、事前にFAX、メールまたは持参し、公証人のチェックを受ける

②公証人が内容確認後、電話で連絡

③必要書類と手数料を持参し、公証役場を訪れ認証を受ける

 

■電子定款(オンライン申請)

①定款を作成後、事前にFAX、メール、または持参し、公証人のチェックを受ける

②認証の手続きに行く日時を決める

③インターネットで法務省の登記・供託オンライン申請システムから指定の公証人にオンライン申請

④必要書類と手数料を持参し、公証役場を訪れ認証を受ける

 

■電子定款(オンライン申請とテレビ電話)

①定款を作成後、事前にFAX、メールまたは持参し、公証人のチェックを受ける

②公証人が内容確認後、電話連絡

③テレビ電話による認証を希望する日時の予約については電話・メールまたは予約フォームを利用する

④公証人が、予約日時、テレビ電話のURL、振込口座と手数料を嘱託人に連絡

⑤嘱託人は、予約当日までに手数料の振り込みと認証を受ける電子定款(電子委任状の場合はこれも併せて)のオンライン申請を行う

⑥嘱託人が予約した日時にパソコンまたはスマートフォンで公証人から送信されたURLをクリックまたはタッチし、公証人とテレビ電話で通話

⑦テレビ電話後、認証手続きを行う

 

<必要な持ち物の例>

(例)

・定款3部

・4万円分の収入印紙

・発起人の印鑑証明書

・印鑑

・身分証

・委任状

・代理人の印鑑

・身分証

・公証人に支払う手数料5万円など

上記は、あくまで例です。認証手続きの方法や流れ、必要な持ち物は、公証役場によって異なる場合があります。

会社の本店所在地を管轄する公証役場のホームページなどで確認してみましょう。

ポイント!

PDF形式で作成する「電子定款」の場合は収入印紙税が不要。また、2022年1月から一律だった5万円の手数料が、資本金の額によって変わっています。

  • 100万円未満 3万円
  • 100万円以上300万円未満 4万円
  • 300万円以上 5万円

定款の作成や認証手続きをサーブコープがサポートします

充実したワークスペースの機能だけにとどまらず、サーブコープはプロフェッショナルな秘書サービスも強みです。

今回の紹介した「定款」の作成や手続きも、お手伝いします。

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サーブコープの秘書は全員バイリンガル。なかには中国語や韓国語が堪能なスタッフもいます。資料の翻訳はもちろん、海外出張に同行し、通訳としてサポートする場合もあります。また、採用面接の代行もご依頼いただけます。

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