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シェアードサービスとは? 大手企業の導入事例や効率化のメリットを解説

    2000年頃から企業内で導入され始めている「シェアードサービス」をご存知でしょうか。企業のコスト削減や業務効率化のための経営手法として、近年注目を集めています。本記事では、シェアードサービスとは何か、実際に導入している大手企業を例に挙げながら、そのメリットを解説していきます。

    シェアードサービスとは?

    シェアハウスやシェアサイクルなど、物や時間、場所やスキルなどを“共有”することが当たり前になった時代。シェアード(Shared)サービスも、そうした「シェア」するという考え方のひとつです。

    では、誰と何をシェアするのか? 端的に言うと、子会社や関連会社などのグループ企業内でサービス(業務)を共有することですが、これだけ聞いてもピンとこない方も多いかもしれません。具体的には、グループ企業において企業内の事業部ごとに設置されている重複部門を1カ所に集約、それを皆でシェアすることをシェアードサービスと言います。

    集約するのは主に人事部や総務部、経理部、法務部、データセンターなどコーポレート機能を担う部門。これによって経営のスリム化を目指します。

    シェアードサービスの歴史はまだ新しく、アメリカのゼネラル・エレクトリック社(GE)が、業務の簡素化を目的に経理部門をひとつにまとめたのが最初だと言われています。日本でもグループ経営が推進されるようになった2000年頃から、徐々にシェアードサービスを導入する企業が増えています。

    アウトソーシングやBPOとの違い

     

    シェアードサービスと一緒に語られることが多いのが、アウトソーシングやBPO(ビジネス プロセス アウトソーシング)。ですが3者は似て非なるもの。その違いについて解説しましょう。

    大きく異なるのは、「集約した業務をどこに委託するか」です。先述のとおり、シェアードサービスはグループ企業内の部門を一括化する経営手法なので、あくまで集約した業務の行き先は自社内。グループ内の社員が業務を行うことになります。それに対して、アウトソーシングやBPOは、外部の企業に業務を委託するので、ここがまったく違う点だと言えます。

    また、外部委託という点においてアウトソーシングとBPOは同じですが、両者は、委託する業務の範囲が異なります。アウトソーシングは直接利益とは結び付かない業務を外部に任せることで、自社のコア事業に注力することを目的としています。そのため、委託するのは総務や人事、経理などのバックオフィス業務が中心になります。それに対しBPOは、部門にかかわる業務すべてを社外に委託するイメージ。例えば業務の運用方法や課題解決の提案、結果分析なども含まれます。

    シェアードサービスを導入するメリット4つ

    では、シェアードサービスを導入するとどんなメリットが得られるのでしょう。

    コストの削減

    まず考えられるのが、コストの削減です。グループ企業内に存在していた重複部門を1カ所にまとめることで、人材や設備を最小化。無駄なコストの削減が可能です。また、集約した各部門を物価や労働力の安い地域や国外に置くことも有効な手段と言えます。これにより、オフィスの賃料や人件費など経費を安価に抑えられ、さらなるコストの削減が期待できるでしょう。

    業務の効率化

    業務の効率化も、シェアードサービスによって期待できるメリットのひとつです。重複していた部門をまとめることで、業務の洗い出しがしやすくなり、データの入力業務や印刷業務などの中から無駄を発見しやすくなります。また、業務のフォーマットや運用方法、締め切り期日などを統一し、標準化できるため、効率的に仕事を進めやすくなるでしょう。

    業務の品質向上

    これまで複数の部門が個々に培ってきた専門知識を共有できるため、業務の品質アップにつながります。特に、経理や法務といった専門的知識が求められる部門は、常に人材確保の課題を抱えています。しかし、これらの部門を一括化すれば、人員も共有できるので、より各部門の専門性を高めることができるのです。一括化した部門に優秀な人材を集めることができれば、ノウハウの蓄積にも寄与するはずです。

    社員の意識改革

    グループ企業内の重複部門を集約することは、社員の意識改革にも一役買うことがあります。グループ内の業務を一手に担うことで、大企業の一員として働いているという意識が高まるからです。また、業務を集約し、そのプロセスを標準化することで、透明性の確保にもつながります。ミスや不正の発見もしやすくなり、内部統制を進めるうえでも大いに役立つと考えられます。

    シェアードサービスを導入する3社の事例

    さまざまなメリットが挙げられるシェアードサービスですが、実際の企業ではどのように活用されているのでしょうか。大手企業3社の導入例を見ていきましょう。

    大和ハウス工業株式会社

    大和ハウス工業では、2012年からシェアードサービスを導入。82の事業所が個別に行っていた経理・財務業務を本社に集約した結果、各事業所は必要な経理データを準備するだけで支払通知書等が取引先に確実に送付されるように。担当者の作業負担が減ったことで、ミスの激減につながったと言います。

    ② P&G

    世界最大の消費財メーカーであるP&Gもシェアードサービスを導入。1999年、経理・財務部門を中心に大々的な組織変革を実施し、80カ国以上の組織ごとに行われてきたバックオフィスの業務を集約。グローバルなシェアードサービス組織を創設しました。このような取り組みによって、10億ドルを超えるコスト削減を達成し、売上原価を3割以上下げることに成功したと言います。

    株式会社USEN-NEXT HOLDINGS

    2019年にシェアードサービスを導入したのが、USEN-NEXT HOLDINGSです。これまでグループ企業各社に存在していたテレマーケティングやカスタマーセンターなどの顧客対応業務を一括化する拠点、「USEN Shared Service Center(USSC)」を設置しました。

    USSCの誕生によりコストの削減はもちろん、課題になっていたノウハウや情報共有不足の解決につながったようです。

    シェアードサービスは、コスト削減や業務の効率化だけでなく、企業の発展にも寄与する経営手法と言えるでしょう。今回紹介したメリットや成功事例を参考に、シェアードサービスの導入を検討してはいかがでしょうか。

    コスト削減や効率化につながるシェアードオフィス

    シェアの先駆けと言えるのが、オフィススペースやオフィス設備を複数の企業で共有するレンタルオフィス。一般的に、受付やレセプションを共有するほか、会議室やコピー機、キッチンやラウンジなどの設備、Wi-Fiなどのインターネットインフラもシェアする、“シェアードオフィス”とも言える存在です。

    一般的な賃貸オフィスの場合、こうしたオフィスインフラをすべて自前で準備する必要がありますが、起業したばかりの時は特にオフィス開設にかかる初期費用が経営を圧迫しかねません。

    レンタルオフィスはその点、オフィス開設に必要なコストを抑えられるだけでなく、受付や秘書サービスが充実した事業者を選べば、人材の雇用にかかる経費も削減可能。さらに複数の企業が利用するため、交流会やイベントの開催に積極的なレンタルオフィスでは、ビジネスの拡大やアライアンスの機会を得るチャンスもあります。

    レンタルオフィスの先駆者でもあるサーブコープは、充実した秘書サービスやITサポートをはじめ、国内26拠点すべてがビジネス一等地にあるのが強み。個室が利用できるレンタルオフィスのほか、コワーキングスペースやバーチャルオフィスのサービスで、起業する個人事業主や小規模、中小企業の皆さまを応援します。レンタルオフィスやシェアオフィスのご利用を検討中の方は、お気軽にお問い合わせください

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