公式HP サーブコープブログ働き方ABWとは? 導入メリットや事例を紹介! フリーアドレス制との違いも解説

働き方

ABWとは? 導入メリットや事例を紹介! フリーアドレス制との違いも解説

    ABW(エービーダブリュ)とは、働き方改革の推進にともない耳にすることが増えた単語の一つで、働く場所と時間を自由に選べる柔軟な働き方を指します。感染症予防の一環として積極的に導入する企業も増えているようです。本記事ではABWとは何か、導入のメリットや実際に導入している企業事例などを詳しくご紹介します。

    ABWとは?

    ABWとは、「Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略称で、従業員が「働く時間」と「働く場所」を自由に選べる仕組みのことです。元々は、オランダから始まった働き方で、主にグローバル企業の導入が盛んでしたが、日本国内でも大企業が次々と導入を進めています。

    従来は従業員が部門ごとに同じ場所に集まることが一般的な働き方でしたが、近年はノートパソコンやタブレット端末などの普及で場所に縛られない、柔軟な働き方が可能に。昨今のテレワークの拡大で、働く時間と場所を自ら選択できるABWに改めて注目が集まっています。

    ABWとフリーアドレスとの違い

    ABWと似た働き方に「フリーアドレス」があります。他の従業員とのコミュニケーションの活性化やオフィスの維持コストの削減という点でフリーアドレスとABWは共通していますが、両者には明確な違いも。

    フリーアドレスはオフィス内に固定の席を持たず、ノートパソコンやタブレット端末などを用いて好きな席で働ける仕組みですが、ABWは働く場所をオフィス内に限定せず、また働く時間も基本的に従業員の裁量に任される仕組み。生産性や業務効率の向上により着目した働き方と言えるでしょう。

    ABW導入のメリットとは? 代表的な5つの効果

    ではもう少し具体的に、ABWを導入するメリットについてみていきましょう。

    1. 業務効率が上がる

    ABWでは、従業員が自ら働く時間と場所を選べるため、業務内容に適した環境で働くことが可能です。その結果、業務効率が上がり、1人の従業員が生み出す利益の向上が期待できると言われています。

    2. コミュニケーションの活性化

    従業員がオフィス内外で働ける時間と場所を選べるようになれば、他部署の従業員とより円滑にコミュニケーションが図れるため、今までにはないアイデアの創出やお互いのモチベーションアップへの寄与などが期待できるでしょう。

    3. オフィスの維持コストの削減

    ABWを目的にしたワークスペースを整備することで、オフィスの合理的な利用につながり、無駄なスペースを見直す機会になります。たとえば広すぎる会議室、使用していないワークスペースなどを削減すれば、オフィスの維持コストを抑えられます。

    4. 国内外の優秀な人材の確保

    優秀な人材は、国が働き方改革を推進していることもあり、ワークライフバランスを重視して企業を選ぶ傾向があります。そのため、ABWで自由な働き方を提供することで、国内外の優秀な人材の獲得につながるでしょう。

    5. 従業員のモチベーションアップ

    ABWで働く場所が柔軟になれば、通勤ラッシュを避けることもでき、移動のストレスが減ります。営業先から帰社する必要もなくなれば、時間を有効に使えるでしょう。ワークライフバランスが整って充実感が増し、仕事に対するモチベーションが上がる結果にもつながります。

    同じ会社のなかで作業スペースを複数設置することで、部署間を超えた移動が可能になり、今まで交流のなかった従業員とコミュニケーションが生まれることも。コワーキングスペースの機能を持った空間を導入する企業も増えています。

    ABWを導入した3企業の事例を紹介

     では実際にABWを導入した3企業の事例を紹介します。

    コクヨ株式会社

    コクヨ株式会社は品川SSTオフィスにABWを導入し、メリハリのある働き方を実現。社員の通勤経路を調査し、通勤時間やコストをシミュレーション。社員が利用しやすいサードプレイスを拡充したり、業務内容や目的に合わせて選択できる環境を構築したり、柔軟な働き方を促進した結果、「有効に活用できた時間(可処分時間)」は35%向上し、社員アンケートでは、「時間に対しての意識」が導入前から15%上昇したといいます(※1)。

    日鉄興和不動産

    壁やデスクパーテーションを取り払い、多目的空間「MOVAL(ムーバル)」をオフィスの中央に設置。組織の壁を超えた会話・交流のきっかけを創出しています。また、組織の壁を越えた会話・交流のきっかけを創り出します。また、社員全員にモバイルPCとiPhoneを支給し、IT/ICT環境を充実させ、在宅勤務制度も導入し、子育てや介護をしながら働き続けたいという社員の意欲を支援しています(※2)。

    メタウォーター株式会社

    西日本事務所にABWの手法を取り入れリニューアル。固定席がなく、業務に合わせた席・場所の選択が可能で、行き先表示板電子化システムや在席システムを導入することで、社員がどこにいるかを把握。同社はABW導入について、労働時間の削減や業務効率化のためだけではなく、少子高齢化や人手不足などを背景とした労働市場環境の変化に適応することで、会社と社員の成長を目指すためとしています(※3)。

    ABWの効果は? 失敗しないための注意点

    ABWの効果も報告されています。ABWの総合コンサルティング会社Veldhoen + Company(本社:オランダ アムステルダム)は世界11か国、16の組織における29のプロジェクトから得られた30,000件以上のデータを用い、ABWに移行する前と後を調査(※4)。分析した結果、図にある4項目に対して改善が見られたとまとめています。

    • ワークプレイスにおける総合的な満足度が17%向上
    • 個人の生産性が13% およびチームの生産性が8%向上
    • 組織文化が11%改善
    • 職場に対する帰属意識が4%向上

    また同レポートでは、どこでどのように仕事をするのが自分にとって最適なのか、従業員が自分自身で理解し、選べるようにすることが成功の秘訣だとも分析。

    1. 従業員の働き方とワークプレイスの構成が合致している。
    2. 多様な働き方がもたらす柔軟性と選択権を従業員が実感できている。

    この2点が成功した事例の共通点のようです。つまり、オフィスを新しくモダンに変更しても、古い考え方や行動のままでは逆に非効率を拡大させ、生産性を下げてしまうと指摘しているので導入の際には注意が必要ですね。

    ABWにおすすめのコワーキングスペース

    ABWと一口に言っても、「固定席をなくす」「目的にあった場所を提供する」「在宅勤務を可能にする」「就業時間を柔軟にする」などスタイルはさまざまですが、社員の多様な働き方を認めることは企業の成長においても、欠かせない福利厚生になりました。

    働く場所の選択肢の一つとして、コワーキングスペースを利用する企業も増えています。サーブコープは国内5都市に26拠点あり、アクセスも良好。カフェにはない安心・安全なITインフラが整い、無料で楽しめるコーヒーや紅茶をご用意しています。また感染症対策も万全にし、24時間365日いつでもご利用いただけるプランもご用意しています。

    サーブコープのコワーキングスペースついて、詳しくはこちらをご覧ください

    (※1)https://www.kokuyo-furniture.co.jp/solution/service/06_abw/
    (※2)https://www.nskre.co.jp/csr/work-style/
    (※3)https://www.metawater.co.jp/news/2020/07/abw-abw.html
    (※4)アクティビティ・ベースド・ワーキング:測定可能な成果および結果を左右する要因に関するリサーチ

    あわせて読みたい