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出産を控える女性が知っておきたい!出産費を補う公的保険と産後のキャリア支援制度

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出産をするときには、分娩費や入院費など多額の支払いが必要となるうえ、収入も減るケースが少なくありません。そこで活用したいのが、出産や育児の経済的負担をカバーする公的保険制度。また、育児と両立した働き方を実現させたい、そのような女性向けのキャリア支援制度についても解説します。

平均出産費用は48万円、「出産育児一時金」で負担サポート

出産をするときに、必ず必要となるのが病院に支払う分娩料などの出産費用です。厚生労働省の調査によると、出産費用の全国平均や内訳は、以下のとおりとなっています。

専用請求書項目 平成22年度(※1) 平成23年度 平成24年度
入院日数 6日 6日 6日
入院料(※2) 108,159円 108,849円 110,112円
室料差額(A) 14,084円 14,086円 14,653円
分娩料 222,599円 226,304円 230,920円
新生児管理保育料 11,547円 11,604円 11,915円
検査・薬剤料 11,547円 11,604円 11,915円
処置・手当料 13,135円 13,167円 13,336円
産科医療補償制度
(B)
29,655円 29,703円 29,672円
その他(※3)(C) 24,626円 24,598円 25,324円
小計 474,446円 478,556円 486,376円

「出産一時金の見直しについて」(厚生労働省)をもとにサーブコープが作成>

上記の調査では、都道府県別の出産費用の平均額も示されていますが、東京都は最も高額な586,146円(平成24年度)ですので、とくに備えが必要になるでしょう。

このように、出産費用は高額なものですが、「出産育児一時金」という公的保険によるサポートで大半を賄うことができます。出産育児一時金は、出産費用を健康保険制度で補助するもので、1児につき42万円が支給されます。

出産育児一時金を受け取るには、会社の健康保険組合や国民健康保険など、本人や夫が加入する公的保険に申請する必要があります。申請をする際に「直接支払制度」を選択すると、健康保険組合等から直接42万円を医療機関に支払ってもらえるため、窓口負担が少なくなります。

ただし、先程紹介したように、出産費用の全国平均は約48万円ですから、すべてを出産育児一時金だけで賄うのは難しく、ある程度の自己負担も必要になるでしょう。とくに、母子の健康状態によって入院期間が長引けば、思いもよらぬ支払いが必要になるかもしれません。

こうしたときには、「高額療養費制度」を受けて医療費の負担を少なくしたり、「医療費控除」を申告して所得税の還付を受けるといった方法で、経済的負担をある程度抑えることができますが、やはり自己負担をゼロにすることはできません。(高額療養費制度について詳しく紹介した記事はこちら)

さらに、差額ベッド代や食費、テレビや冷蔵庫の使用料などは、高額療養費制度や医療費控除の対象にならないため、こうした事情を考慮すると、出産準備の段階で、ある程度の蓄えを用意しておくことが望ましいでしょう。

職場を離れて収入が減っても、手厚いサポートで安心 

ここまで説明したような出産にかかる費用だけでなく、仕事を離れることによる収入減も悩ましいものです。しかし、会社員や公務員であれば、支援制度を利用することで負担を抑えることができます。

専用請求書項目 平成22年度(※1) 平成23年度 平成24年度
入院日数 6日 6日 6日
入院料(※2) 108,159円 108,849円 110,112円
室料差額(A) 14,084円 14,086円 14,653円
分娩料 222,599円 226,304円 230,920円
新生児管理保育料 11,547円 11,604円 11,915円
検査・薬剤料 11,547円 11,604円 11,915円
処置・手当料 13,135円 13,167円 13,336円
産科医療補償制度
(B)
29,655円 29,703円 29,672円
その他(※3)(C) 24,626円 24,598円 25,324円
小計 474,446円 478,556円 486,376円

 

そのひとつは、産前産後休業の期間(産前42日+産後56日=98日)や育児休業の期間中(子どもが3歳になるまで)は、「社会保険料の支払免除」を受けることができるというものです。

この期間は、社会保険料を一切支払うことなく健康保険などの適用を受けることができます。しかも、年金を将来受け取るには、ある程度の年金加入期間が必要となりますが、社会保険料の支払免除を受けている期間も、年金加入期間に含まれるため、安心です。

さらに、産前・産後休業の期間に給料が出ない場合や、給料の額が出産手当金よりも少ない場合に支払われる、「出産手当金」もあります。出産手当金は、「支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3×98日分」という算式で求められるため、産前休業に入る直前の“給料収入3分の2程度”の金額が支払われるということです。

産前・産後休業を終え、育児休業に入る場合、新たなサポートが開始します。育児休業前の賃金の67パーセント(6ヶ月経過後は50パーセント)相当額の「育児休業給付」の支給です。子どもが1歳になる日(誕生日の前日)まで受け取ることができます。

それでは、職場復帰した後のサポートはどうなるのでしょうか? ここまでに紹介した「社会保険料の支払免除」や「出産手当金」、「育児休業給付」はすべて終了しますが、優遇措置がひとつ利用できます。それが、「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」(以下「みなし措置」)です。

この制度は、子どもが3歳になるまでの期間は、育児休業に入る前の給料を将来の年金額に反映させるというもの。将来の年金額は、給料に応じて決まる社会保険料と連動しています。したがって、一般的に育児休業後に職場復帰すると、残業ができないなどの理由により収入が減りがちですから、その分社会保険料は減りますが、同時に将来の年金額も減ってしまいます。

ところが、みなし措置を適用することによって、収入が減り社会保険料が減ったとしても、将来の年金額は育児休業前の給料を基準に算定されますから、それだけ多くの年金を受け取れるということなのです。

専用請求書項目 平成22年度(※1) 平成23年度 平成24年度
入院日数 6日 6日 6日
入院料(※2) 108,159円 108,849円 110,112円
室料差額(A) 14,084円 14,086円 14,653円
分娩料 222,599円 226,304円 230,920円
新生児管理保育料 11,547円 11,604円 11,915円
検査・薬剤料 11,547円 11,604円 11,915円
処置・手当料 13,135円 13,167円 13,336円
産科医療補償制度
(B)
29,655円 29,703円 29,672円
その他(※3)(C) 24,626円 24,598円 25,324円
小計 474,446円 478,556円 486,376円

 

育児と両立した働き方を実現させるためのキャリア支援制度

ここまでに紹介してきた、収入減に対するサポートは、会社員の場合は健康保険組合に、公務員の場合は共済組合に申請することで受けられます。ところがフリーランスなど国民健康保険の加入者の場合、残念ながら受けることができません。育児により仕事ができなくなっても、社会保険料を支払う必要があり、手当金を受けることもできないのです。

しかも、民間の所得補償保険を利用しても、出産は保険金の支払い対象とならないことが多く、収入減への対応は難しい環境にあります。そのため、あらかじめ貯蓄しておくなどの備えだけでなく、出産後に子育てと両立できる働き方を検討する必要もあるでしょう。

昨今、女性起業家を応援する制度は増えています。たとえば日本政策金融公庫には、「女性、若者/シニア起業家資金」の制度があり、女性であれば年齢を問わず、以下のとおり融資を受けることができます。

ご利用いただける方 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
資金の使いみち 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
利率(年) ・運転資金及び設備資金(土地取得資金を除きます。)[特利A]

・技術・ノウハウ等に新規性がみられる方(注)の運転資金及び設備資金(土地の取得資金を除きます。)[特利B]

・土地取得資金[基準利率]

ご返済期間 設備資金 20年以内<うち措置期間2年以内>
運転資金 7年以内<うち措置期間2年以内>
担保・保証人 お客さまのご希望をうかがいながらご相談させていただきます。

「女性、若者/シニア起業家支援資金」(日本政策金融公庫)をもとにサーブコープが作成

経済産業省でも、「女性起業家支援等ネットワーク構築事業」というプロジェクトを立ち上げ、これから起業を目指す女性や、すでに起業家やフリーランスとして働く人へ、相談対応やネットワークの構築、起業コンテストなどを実施しています。

このプロジェクトの情報は、「わたしの起業応援net」にまとめられていますので、「育児をきっかけに働き方を見直したいけれど、何から始めたらいいのか、誰に相談したらいいのかわからない」という方は、利用してみてはいかがでしょうか。

 

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