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結局どうなる?日本における電子書籍のイマと未来予測

    電子書籍は日本の先にアメリカで発展した市場です。日本ではそれほど発展しないという予想もありましたが、市場規模の変化を見ると、この予想に反しています。さまざまな憶測はありますが、「思ったよりも日本人は電子書籍を受け入れているようだ」という状況。日本の電子書籍の未来を予測していきましょう。

    前年比25%増の大きな伸びを見せる電子書籍市場

    日本における電子書籍は、実際にはどの程度の「伸び」を見せているのでしょうか。2015年度の電子書籍市場規模は、1,584億円。これは、前年比25.1%増という数字です。25%以上の伸びというのはかなりもの。この勢いであれば、3年後の2020年度には、3,000億円規模になるのではないかという分析もあります。(参照:INTERNET Watch「2015年度の国内電子書籍市場は1584億円規模、前年度から25.1%増加、8割がコミック」

    たしかに、スマホユーザー及びタブレットユーザーが増えるに従い、生活に入り込む機会が増えている電子書籍。例えば、「買って読もう」という意識がなくとも、買い物のカタログやちょっとしたサンプルなどで電子書籍に触れたことのある人は多いのではないでしょうか。紙媒体と比較すると「無料」で提供することが簡単にできる電子の強さがそこにあります。

    とはいえ、電子書籍の利用は無料サービスばかりが増えたのかというと、そうではありません。例えば、スマートフォン利用者の電子書籍利用率で比較すると、

    • 有料の場合 2015年15.5% 2016年16.5% 伸びは1.0%
    • 無料の場合 2015年24.0% 2017年25.4% 伸びは1.4%

    と、有料サービスの伸びとそこまで変わらないのです。

    無料サービスの利用率が高いものの、伸び率は0.4%差。なお、PC利用の場合も、伸び率の差は0.5%。「無料だから」「スマホならいつでも見られて便利だから」という理由だけで人々が電子書籍にシフトしているわけではないこともわかります。(参照:インプレス「電子書籍ビジネス調査報告書2016」7月28日発行

    なお、有料サービスの中でも大きく伸びたのはコミックス。電子書籍利用者たちは、「何でも電子書籍がいい」というわけではなく、この読み物は紙、この読み物は電子、と、選択しているようなのです。

    どうして予想外に電子書籍が普及した?

    すでに述べたように、数年前には日本において電子書籍はそれほど発展しないのではないか?といわれていました。書籍の探しにくさ、モニタでの読みにくさ、紙で持つことのステイタス。また、紙媒体と比較してそれほど価格が下がらないことなど、電子書籍の違和感はすぐ払拭されないという見方があったのです。

    しかし時間が経ってみれば、電子書籍の利用が増加している状況に。理由としては、

    • 狭い日本の住宅事情(本の置き場などに困っている日本人は山のようにいる)
    • 高齢者も含め、幅広い年齢層が電子に慣れ対応できるようになってきた
    • 電子書籍を扱うコンテンツやアプリが増え利便性が増した

    といったことがあげられるでしょう。電子書籍が登場した頃よりもずっとスマホやタブレットなどのデバイスが普及しているわけですから、当初の予測が外れても無理はないのかもしれません。紙媒体のよさは永遠のものですが、今後もスマホやタブレットの利用率が増加していくであろうことを考えると、電子書籍が生活に入り込む余地はまだまだ多いと考えられます。

     

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